FP2級 2018年5月 実技(金財:個人)問11

【この問題にはが用意されています。読んでから回答してください。】

問11

Aさんが、甲土地上に住宅を新築する場合、建ぺい率の上限となる建築面積と容積率の上限となる延べ面積を求める次の〈計算の手順〉の空欄①~④に入る最も適切な数値を解答用紙に記入しなさい。なお、問題の性質上、明らかにできない部分は「□□□」で示してある。

〈計算の手順〉
  1. 建ぺい率の上限となる建築面積
    □□□㎡×()%=()㎡
  2. 容積率の上限となる延べ面積
    1. 容積率の判定
      ・指定容積率:200%
      ・前面道路幅員による容積率の制限:□□□%
      したがって、上限となる容積率は、()%である。
    2. 容積率の上限となる延べ面積
      □□□㎡×()%=()㎡

正解 

① 70(%)
② 168(㎡)
③ 200(%)
④ 480(㎡)

分野

科目:E.不動産
細目:3.不動産に関する法令上の規制

解説

〔①について〕
建ぺい率とは、建築物の建築面積の敷地面積に対する割合をいいます。計算式は「敷地面積×建ぺい率=建築面積」です。
建築面積を計算する際には、建築基準法で規定されている下記の建ぺい率の緩和措置を考慮しなくてはなりません。
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設例に「甲土地は、建ぺい率の緩和について特定行政庁が指定する角地である。」とあるので、指定建ぺい率に10%プラスされます。つまり「60%+10%=70%」です。なお、甲土地は準防火地域ですが、設問には建築される住宅が耐火建築物等または準耐火建築物等という指定はないので、建ぺい率の緩和は10%のみです。

よって、正解は70(%)になります。

〔②について〕
建築面積は「敷地面積×建ぺい率」で計算します。甲土地の敷地面積は「16m×15m=240㎡」、建ぺい率は①の70%ですので、

 240㎡×70%=168㎡

よって、正解は168(㎡)になります。

〔③について〕
容積率とは、建築物の延べ面積の敷地面積に対する割合をいいます。計算式は「敷地面積×容積率=延べ面積」です。
容積率には前面道路幅員による制限があり、その敷地の前面道路の幅員が12m未満の場合、次の2つのうち小さい方が適用されます。
  • 都市計画における指定容積率
  • 前面道路の幅×法定乗数
設問の事例では、指定容積率が200%、前面道路の幅×法定乗数が「6m×0.4=2.4=240%」なので、容積率は2つを比べて小さい200%となります。

よって、正解は200(%)になります。

※法定乗数については設例で与えられるので覚える必要はありませんが、住居系用途地域では4/10、その他の用途地域では6/10です。

〔④について〕
延べ面積は「敷地面積×容積率」で計算します。甲土地の敷地面積は240㎡、容積率は③の200%ですので、

 240㎡×200%=480㎡

よって、正解は480(㎡)になります。