FP2級 2018年9月 実技(FP協会:資産設計)問35

【この問題にはが用意されています。読んでから回答してください。】

問35

俊和さんが2023年8月に受け取った退職一時金(下記<資料>参照)から源泉徴収された所得税額として、正しいものはどれか。なお、俊和さんは、退職に際して「退職所得の受給に関する申告書」を適正に提出している。また、復興特別所得税については考慮しないこと。

<資料>
[俊和さんの退職に係るデータ]
  • 退職一時金の額:5,000万円
  • 勤続年数:31年4ヵ月
  • 俊和さんは、これまでに役員であったことはなく、退職は障害者になったことに基因するものではない。
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  1. 3,360,000円
  2. 4,008,000円
  3. 4,644,000円
  4. 5,544,000円

正解 2

分野

科目:D.タックスプランニング
細目:2.所得税の仕組み

解説

課税の対象となる退職所得金額は以下の式で算出されます。

 退職所得=(収入金額-退職所得控除額)×1/2

この式中の退職所得控除額は、勤続年数により以下のとおりに分けられます。
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俊和さんの勤続年数は31年4カ月ですので、1年未満を切り上げた32年で計算します。

 800万円+70万円×(32年-20年)=1,640万円

最初の式に当てはめて退職所得の金額を計算します。

 (5,000万円-1,640万円)×1/2=1,680万円

退職所得は分離課税ですので、他の所得の多寡に関係なく個別に所得税額表に当てはめて税額を計算します。1,680万円だと所得税率33%、控除額1,536,000円の区分に該当するので、退職一時金に係る所得税額は、

 16,800,000円×33%-1,536,000円=4,008,000

したがって[2]が正解です。

なお、本問のように退職に際して勤務先に「退職所得の受給に関する申告書」を提出している場合は、収入金額から適正額の所得税・住民税が源泉徴収され課税関係は終了します。申告書を提出していない場合は、退職収入金額に対して20.42%が源泉徴収され、その後、退職者が確定申告を行い納付および還付の手続きをとることになります。