FP2級過去問題 2019年5月学科試験 問55

問55

相続税の課税財産に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
  1. 相続または遺贈により財産を取得した者が、相続開始前3年以内に被相続人から暦年課税による贈与により取得した財産は、原則として相続税の課税対象となる。
  2. 被相続人に対して支給されることが確定していた退職金で、相続開始時において被相続人に支給されていなかったものは、相続税の課税対象となる。
  3. 被相続人が相続開始時に有していた事業上の貸付金である債権は、相続税の課税対象となる。
  4. 被相続人が交通事故により死亡し、加害者が加入していた自動車保険契約に基づき、相続人が受け取った対人賠償保険の保険金は、相続税の課税対象となる。

正解 4

問題難易度
肢110.1%
肢27.6%
肢310.1%
肢472.2%

解説

  1. 適切。相続・遺贈により財産を取得した人が、被相続人からその相続開始前3年以内に贈与を受けた財産があるときには、相続税の課税価格に贈与を受けた財産(贈与のときの価額)を加算します。これを「3年内贈与加算」といいます。
  2. 適切。被相続人に対して支給されるべきであった退職金を相続人が受け取った場合、被相続人の死亡後3年以内に支給が確定したものは、相続税の課税財産となります。
  3. 適切。貸付金や売掛金などの被相続人が有していた債権も相続税の課税対象となります。
  4. [不適切]。自動車事故で死亡した場合に、加害者の加入していた対人賠償保険契約により遺族が受け取った保険金は、遺族の所得となるので相続税の課税対象外になります。また、相手方から支払われる自動車保険の死亡保険金は、利益ではないので所得税において非課税になります。
したがって不適切な記述は[4]です。