FP2級 2019年5月 実技(金財:個人)問10

【この問題にはが用意されています。読んでから回答してください。】

問10

Aさんが、甲土地に耐火建築物を建築する場合、建蔽率の上限となる建築面積と容積率の上限となる延べ面積を求める次の<計算の手順>の空欄①~④に入る最も適切な数値を解答用紙に記入しなさい。なお、問題の性質上、明らかにできない部分は「□□□」で示してある。

<計算の手順>
  1. 建蔽率の上限となる建築面積
    (480㎡-()㎡)×()%=□□□㎡
  2. 容積率の上限となる延べ面積
    ・指定容積率:400%
    ・前面道路幅員による容積率の制限:()%
     したがって、上限となる容積率は、□□□%
    (480㎡-()㎡)×□□□%=()㎡

正解 

① 20(㎡)
② 100(%)
③ 360(%)
④ 1,656(㎡)

分野

科目:E.不動産
細目:3.不動産に関する法令上の規制

解説

〔①について〕
甲土地は、幅員が4m未満の道路に面しているのでセットバックの適用対象となります。一方がガケ、川でない場合は道路中心線から水平距離2mずつ両側に後退した線が道路境界線となるので、幅が2mの市道に面する甲土地は1mだけセットバックすることになります。①には、このセットバックによって計算対象から除かれる面積が入ります。図中の横1m、縦20mの部分がセットバックによって建築できない部分となるので、①には「1m×20m=20㎡」が入ります。
よって、正解は20(㎡)になります。

〔②について〕
②には建ぺい率が入ります。建ぺい率とは、敷地面積に対する建築物の建築面積の割合で「敷地面積×建ぺい率=建築面積」となります。建ぺい率を決定する際には、以下の建ぺい率の緩和について考慮する必要があります。
10.png./image-size:526×176
甲土地は、指定建ぺい率80%の防火地域であり、設問には耐火建築物を建築する場合とありますので建ぺい率100%(制限なし)となります。
よって、正解は100(%)になります。

〔③について〕
建物の延べ面積の限度は、「敷地面積×容積率」で決定されます。そして、その敷地の前面道路の幅員が12m未満の場合、容積率には次の2つのうち小さい方が適用されます。
  • 都市計画法の指定容積率
  • 前面道路の幅×法定乗数
複数の道路に面する土地では、最も幅員の大きい道路が前面道路となります。甲土地の前面道路は6m、法定乗数は6/10ですので、前面道路幅員による容積率の制限は「6m×0.6=3.6=360%」です。
よって、正解は360(%)になります。

〔④について〕
指定容積率400%と比べて、低い方の360%が容積率の上限となります。計算式に当てはめると、

 (480㎡-20㎡)×360%=1,656㎡

よって、正解は1,656(㎡)になります。