FP2級 2019年9月 実技(金財:個人)問4

【この問題にはが用意されています。読んでから回答してください。】

問4

はじめに、Mさんは、Aさんに対して、《設例》のデータに基づいて、X社およびY社の投資指標について説明した。Mさんが説明した以下の文章の空欄①、③、④に入る最も適切な数値を解答用紙に記入しなさい。空欄②は、解答用紙の「X社/Y社」のいずれかから選び、○印で囲みなさい。なお、計算結果は表示単位の小数点以下第3位を四捨五入し、小数点以下第2位までを解答すること。
  1. 「ROEが高い水準で推移していれば、一般に当該企業の収益性は高いと判断できます。X社のROEは()%であり、Y社との比較では、()のほうが収益性は高いと判断できます」
  2. 「X社のPERは()倍です。一般にPERが高いほど、株価は割高といえます」
  3. 「株主還元率として一般に用いられる指標に配当性向がありますが、X社の配当性向は()%であり、Y社がX社を上回ります。また、株式投資の利回りの指標となる配当利回りについても、Y社がX社を上回ります」

正解 

① 13.33(%)
② X社
③ 10.43(倍)
④ 28.57(%)

分野

科目:C.金融資産運用
細目:5.株式投資

解説

〔①、②について〕
ROE(自己資本利益率)は、自己資本に対してどれだけの利益があるかを示す指標で、以下の式で算出されます。

 ROE(%)=当期純利益÷自己資本×100

そのため、求めるROEはそれぞれ
  • X社 28,000÷210,000×100≒13.33%
  • Y社 12,000÷110,000×100≒10.91%
ROEが高いほど自己資本を効率よく使って利益を上げているということですので収益性が高いと判断されます。ROEは「X社>Y社」ですのでX社の方が収益性が高いといえます。

よって、①は13.33(%)、②はX社になります。

〔③について〕
PER(株価収益率)は、株価が1株当たり利益の何倍であるかを示す指標です。PERが低いほど株価が割安であると判断します。

 PER(倍)=株価÷1株当たり当期純利益

X社の当期純利益は28,000百万円(=280億円)、発行済株式総数は4億株ですので、1株当たりの当期純利益は「280億円÷4億株=70円」となります。X社の株価は730円なので、

 730円÷70円=10.4285…
(小数点以下第3位四捨五入して)10.43倍

よって、正解は10.43(倍)になります。


〔④について〕
配当性向は、当期純利益のうち株主に配当金として還元した割合を示す指標です。

 配当性向(%)=年間配当金÷当期純利益×100

X社の当期純利益は28,000百万円、配当金総額は8,000百万円なので、

 8,000÷28,000×100=28.5714…
 (小数点以下第3位四捨五入して)28.57倍

よって、正解は28.57(%)になります。

なお、Y社の配当性向は「4,500÷12,000×100=37.5%」です。
また、配当利回りは、
  • X社 20円÷730円×100≒2.74%
  • Y社 30円÷1,000円×100=3%
となり、Y社がX社を上回っています。