FP2級 2019年9月 実技(金財:個人)問10
問10
被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除の特例(以下、「本特例」という)に関する次の記述①~③について、適切なものには○印を、不適切なものには×印を解答用紙に記入しなさい。- 「本特例の適用を受けるための要件の1つとして、1981(昭和56)年5月31日以前に建築された戸建て住宅であることが挙げられます。本特例の適用を受けるためには、家屋を取り壊して更地で譲渡するか、家屋を一定の耐震基準でリフォームしてからその家屋のみ、またはその家屋とともに敷地を譲渡しなければなりません」
- 「本特例の適用を受けるための要件の1つとして、敷地の相続税評価額が1億円以下であることが挙げられます。甲土地の相続税評価額は8,000万円になりますので、Aさんは本特例の適用を受けることができます」
- 「本特例と相続税の取得費加算の特例は、重複して適用を受けることができますので、適用を受けるための要件を確認し、適用漏れがないようにしてください」
① | ② | ③ |
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正解
① | ② | ③ |
〇 | × | × |
分野
科目:E.不動産細目:5.不動産の譲渡に係る税金
解説
「被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除の特例」とは、相続や遺贈によって取得した被相続人の居住用財産(昭和56年5月31日以前に建築されたものに限る)であり、その後、空家になっていたものを一定期間内に譲渡した場合に、その譲渡所得の金額から最高3,000万円を控除できる特例です。
この特例の適用を受けるためには、「相続の開始があった日から3年目の年の12月31日までに売ること」および「売却代金が1億円以下であること」などの要件を満たすことが必要です。また、確定申告時には所定の書類に加えて、譲渡する空き家等が相続後に事業及び貸付け等に使用されていないことを証明するために、市区町村長から交付を受けた「被相続人居住用家屋等確認書」を添えなければなりません。
この特例の適用を受けるためには、「相続の開始があった日から3年目の年の12月31日までに売ること」および「売却代金が1億円以下であること」などの要件を満たすことが必要です。また、確定申告時には所定の書類に加えて、譲渡する空き家等が相続後に事業及び貸付け等に使用されていないことを証明するために、市区町村長から交付を受けた「被相続人居住用家屋等確認書」を添えなければなりません。
- 〇適切。本特例は、家屋を取り壊して更地で譲渡するか、その家屋とともに敷地を譲渡することで適用を受けられますが、建物付で譲渡する場合は、改修等を行ってその建物が一定の耐震基準を満たすようにする必要があります。
- ×不適切。本特例の適用要件の1つとして、譲渡対価(売却価格)が1億円以下であることが必要です。売却価格が基準となりますので、相続税評価額だけを見て適用の可否を判断することはできません。
- ×不適切。相続税の取得費加算の特例は、相続により取得した土地・建物・株式などを、一定期間内に譲渡した場合に、相続税額のうち一定金額を譲渡資産の取得費に加算することができる特例です。売った家屋や敷地等について、「相続財産を譲渡した場合の取得費の特例」や「収用等の場合の特別控除」など他の特例の適用を受けている場合、本特例の適用は受けられません。
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