FP2級 2019年9月 実技(金財:生保)問10(改題)

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問10

Aさんの2023年分の所得税の計算における所得控除等に関する以下の文章の空欄①~③に入る最も適切な数値を、下記の〈数値群〉のイ~リのなかから選び、その記号を解答用紙に記入しなさい。
  1. 「セルフメディケーション税制(医療費控除の特例)の適用を受ける場合、特定一般用医薬品等購入費の支払額(保険金などで補填される金額を除く)が()円を超えるときに、その超える部分の金額(最高88,000円)を総所得金額等から控除することができます」
  2. 「長男Cさんの合計所得金額は48万円以下となりますので、Aさんは長男Cさんに係る扶養控除の適用を受けることができます。長男Cさんは特定扶養親族に該当しますので、長男Cさんに係る扶養控除の額は()万円となります」
  3. 「総所得金額に算入される一時所得の金額が()万円を超えるため、Aさんは所得税の確定申告をしなければなりません」
  1. イ.10
  2. ロ.15
  3. ハ.20
  4. ニ.38
  5. ホ.48
  6. ヘ.63
  7. ト.12,000
  8. チ.40,000
  9. リ.68,000

正解 

分野

科目:D.タックスプランニング
細目:5.所得控除

解説

〔①について〕
健康診断を定期的にきちんと受けている人が、自己又は自己と生計を一にする配偶者その他の親族のためにスイッチOTC医薬品購入費を支払った場合には、一定の金額の所得控除を受けることができます。これをセルフメディケーション税制といいます(2017年~2026年の時限措置)。
セルフメディケーション税制による医療費控除額は、実際に支払ったスイッチOTC医薬品購入費の合計額(保険金などで補填される部分を除く。)から12,000円を差し引いた金額(最高88.000円)です。つまり、購入額12,000円を超えた部分が所得控除の対象となります。
よって、正解は[ト]の12,000(円)になります。

なお、セルフメディケーション税制は医療費控除の特例であり、従来の医療費控除との選択適用となりますので、いずれか一方を選択して適用を受けることになります。

〔②について〕
扶養控除は、納税者本人と生計を一にする16歳以上の親族で、合計所得金額が48万円以下の者(給与収入のみの場合は103万円以下)がいる場合に認められる控除です。長男Cさん(20歳)は、19歳以上23歳未満の特定扶養親族として63万円の控除となります。なお、長男Cさんには100万円のアルバイト収入がありますが、給与所得控除の最低額55万円を控除すると所得金額が45万円になるので所得要件は満たしています。
よって、正解は[ヘ]の63(万円)になります。

〔③について〕
会社員などの給与所得のみの人は、給与所得と退職所得以外に年間20万円を超える所得があると確定申告が必要になります。
よって、正解は[ハ]の20(万円)にります。

Aさんには生命保険の満期保険金・解約返戻金があり、総所得金額に算入される一時所得は、
 (500万円+490万円)-(380万円+500万円)-50万円=60万円
 60万円×1/2=30万円
20万円を超えるので確定申告をしなければなりません。