FP2級 2020年1月 実技(金財:生保)問10

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問10

所得税における青色申告制度に関する以下の文章の空欄①~③に入る最も適切な語句または数値を、下記の〈語句群〉のなかから選び、その記号を解答用紙に記入しなさい。

 「事業所得に係る取引を正規の簿記の原則に従い記帳し、その記帳に基づいて作成した貸借対照表、損益計算書その他の計算明細書を添付した確定申告書を法定申告期限内に提出することにより、事業所得の金額の計算上、青色申告特別控除として最高()万円を控除することができます。なお、2020年分以後、()万円を控除するためには、その年分の事業に係る帳簿等について電子帳簿保存法で定められた電磁的記録の備付けおよび保存をすることまたはその年分の所得税の確定申告書等の提出をe-Taxを使用して行うことが要件として追加されました。
 青色申告者が適用を受けられる税務上の特典として、青色申告特別控除のほかに、青色事業専従者給与の必要経費算入、純損失の3年間の繰越控除、棚卸資産の評価について()を選択できることなどが挙げられます。なお、青色申告者が備え付けるべき決算関係書類などの帳簿書類は、原則として()年間保存しなければなりません」
  1. イ.2
  2. ロ.5
  3. ハ.7
  4. ニ.10
  5. ホ.55
  6. ヘ.65
  7. ト.原価法
  8. チ.低価法

正解 

分野

科目:D.タックスプランニング
細目:7.所得税の申告と納付

解説

〔①について〕
青色申告特別控除は、事業所得や不動産所得を得ている人が、正規の簿記に基づいて記帳した貸借対照表と損益計算書を添付した確定申告書を申告期限内に提出し、電子申告または電子帳簿保存をしている場合に、最高65万円の控除を受けられる制度です。
よって、正解は[ヘ]の65(万円)になります。

なお、記述内にあるように2020年以降は65万円の控除を受けるには①仕訳帳及び総勘定元帳を電子帳簿保存、または②e-Taxでの申告のいずれかが必須となりました。この要件を満たさない場合には最高55万円の控除となります。

〔②について〕
白色申告(青色申告ではない)の場合は、原則的評価方法が最終仕入原価法で、あらかじめ税務署に届け出ていれば他の5種類の原価法(個別法、先入先出法、総平均法、移動平均法、売価還元法)を選定することができます。青色申告者は上記に加えて「低価法」を選択することができます。低価法は、原価法で算定した在庫の取得価額と年末時点での時価を比較して、いずれか安い方を棚卸資産評価額とする方法です。
よって、正解は[チ]の低価法になります。

〔③について〕
青色申告の場合、帳簿や決算関係の書類、現金や預金の取引等に関係した書類を7年間保存しなければなりません。
よって、正解は[ハ]の7(年間)になります。