FP2級 2021年1月 実技(金財:生保)問4

【この問題にはが用意されています。読んでから回答してください。】

問4

はじめに、Mさんは、Aさんに対して、必要保障額およびAさんが提案を受けた生命保険の死亡保障の額等について説明した。Mさんが説明した以下の文章の空欄①~③に入る最も適切な数値を、下記の〈数値群〉のなかから選び、その記号を解答用紙に記入しなさい。なお、問題の性質上、明らかにできない部分は「□□□」で示してある。

 「提案を受けた生命保険に加入する前に、現時点での必要保障額を算出し、準備すべき死亡保障の額を把握しましょう。下記の<算式>および<条件>を参考にすれば、Aさんが現時点で死亡した場合の遺族に必要な生活資金等の総額は□□□万円となり、必要保障額は()万円となります。
 仮に、提案を受けた生命保険に加入し、加入した年中にAさんが死亡(不慮の事故や所定の感染症以外)した場合、妻Bさんに支払われる死亡保険金額は□□□万円となります。他方、加入した年中にAさんが不慮の事故で180日以内に死亡した場合の死亡保険金額は()万円となります。
 また、提案を受けた生命保険にはリビング・ニーズ特約が付加されているため、加入後にAさんが重い病気等で余命()カ月以内と判断された場合、所定の範囲内で死亡保険金の全部または一部を生前に受け取ることができます」

<算式>
必要保障額=遺族に必要な生活資金等の総額-遺族の収入見込金額
<条件>
  1. 長女Cさんが独立する年齢は、22歳(大学卒業時)とする。
  2. Aさんの死亡後から長女Cさんが独立するまで(22年間)の生活費は、現在の
    日常生活費(月額25万円)の70%とし、長女Cさんが独立した後の妻Bさんの
    生活費は、現在の日常生活費(月額25万円)の50%とする。
  3. 長女Cさん独立時の妻Bさんの平均余命は、35年とする。
  4. Aさんの死亡整理資金(葬儀費用等)は、300万円とする。
  5. 長女Cさんの教育費の総額は、1,000万円とする。
  6. 長女Cさんの結婚援助費の総額は、200万円とする。
  7. 住宅ローン(団体信用生命保険に加入)の残高は、2,000万円とする。
  8. 死亡退職金見込額とその他金融資産の合計額は、1,200万円とする。
  9. Aさん死亡後に妻Bさんが受け取る公的年金等の総額は、7,500万円とする。
  10. 現在加入している医療保険の死亡給付金額は考慮しなくてよい。
  1. イ.6
  2. ロ.10
  3. ハ.12
  4. ニ.2,670
  5. ホ.3,000
  6. ヘ.3,500
  7. ト.4,000
  8. チ.4,670
  9. リ.9,870

正解 

分野

科目:B.リスク管理
細目:3.生命保険

解説

〔①について〕
必要保障額=遺族に必要な生活資金等の総額-遺族の収入見込金額

【遺族に必要な生活資金等の総額】
1.長女Cさん独立までの遺族の生活費
Aさんの死亡から長女Cさんが独立するまで22年なので、
25万円×70%×12カ月×22年=4,620万円
2.長女Cさん独立後の妻Bさんの生活費
長女Cさん独立時の妻Bさんの平均余命は35年なので、
25万円×50%×12カ月×35年=5,250万円
生活費の総額(1+2)
4,620万円+5,250万円=9,870万円
この金額に死亡整理資金300万円、教育費総額1,000万円、結婚援助金200万を加えた金額が、遺族に必要な生活資金等の総額です。住宅ローン残高2,000万円は、Aさんの死亡により団体信用生命保険から支払われる保険金と相殺されるので加算不要です。

 9,870+300+1,000+200=11,370万円

【遺族の収入見込金額】
  • 死亡退職金見込額とその他金融資産の合計額 1,200万円
  • 妻Bさんが受け取る公的年金等の総額 7,500万円
よって、1,200万円+7,500万円=8,700万円

必要保障額は、11,370万円-8,700万円=2,670万円

よって、正解は[ニ]の2,670(万円)になります。

〔②について〕
Aさんが死亡すると、死因にかかわらず現在加入している生命保険から以下の2つが支払われます。
  • 終身保険 200万円
  • 定期保険特約 300万円
  • 逓減定期保険特約 2,500万円
傷害特約・災害割増特約は、不慮の事故から180日以内に死亡した場合に保険金が支払われる特約です。本問では「Aさんが不慮の事故で事故の日から180日以内に死亡した場合」の死亡保険金額が問われているので、傷害特約500万円・災害割増特約500万円も対象となります。
  • 傷害特約 500万円
  • 災害割増特約 500万円
死亡保険金額は上記5つを合計して
 
 200+300+2,500+500+500=4,000万円

よって、正解は[ト]の4,000(万円)になります。

〔③について〕
リビング・ニーズ特約は、余命6カ月以内と診断された場合に、死亡保険金額以下かつ3,000万円以下で生前に死亡保険金の一部または全部を受け取ることができる特約です。
よって、正解は[イ]の6(カ月)になります。