FP2級過去問題 2021年3月学科試験 問42

問42

不動産の鑑定評価に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
  1. 不動産の鑑定評価に関する法律において、不動産鑑定士および測量士は、不動産鑑定業者の業務に関し、不動産の鑑定評価を行うことができるとされている。
  2. 不動産鑑定評価基準において、最有効使用の原則とは、不動産の価格は、その不動産の効用が最高度に発揮される可能性に最も富む使用を前提として把握される価格を標準として形成されるとする原則をいう。
  3. 不動産鑑定評価基準において、不動産の価格を求める鑑定評価の基本的な手法は、原価法、取引事例比較法および収益還元法に大別される。
  4. 不動産鑑定評価基準において、収益還元法は、対象不動産が賃貸用不動産である場合だけでなく、自用の不動産であっても、賃貸を想定することにより適用されるものであるとされている。

正解 1

解説

  1. [不適切]。土地や建物など不動産の鑑定評価は、不動産鑑定士による独占業務です。不動産鑑定士でない者は鑑定評価業務を行ってはなりません。測量士も不動産鑑定業務を行うことはできません。
    不動産の鑑定評価に関する法律において、不動産鑑定士および宅地建物取引士は、不動産鑑定業者の業務に関し、不動産の鑑定評価を行うことができるとされている。2016.5-42-1
    不動産鑑定士でない者は、不動産鑑定業者の業務に関し、不動産の鑑定評価を行ってはならない。2015.10-41-1
  2. 適切。最有効使用の原則とは、不動産鑑定評価をする上での価格原則のひとつです。その不動産を実現可能な範囲内で最も有効的に活用したことを前提として把握される価格を標準として土地の価格を決定するというものです。
    最有効使用の原則は、不動産の効用が最高度に発揮される可能性に最も富む使用を前提として把握される価格を標準として不動産の価格が形成されるとする原則である。2022.9-42-2
    不動産鑑定評価基準において、最有効使用の原則とは、不動産の価格は、その不動産の効用が最高度に発揮される可能性に最も富む使用を前提として把握される価格を標準として形成されるとする原則をいう。2016.5-42-2
  3. 適切。不動産の適正な価格を判定するためには不動産鑑定士による鑑定評価が必要になります。その鑑定評価方法として、原価法、取引事例比較法および収益還元法があり、一般的にはこれらを併用して評価を行います。
    不動産鑑定評価基準において、不動産の価格を求める鑑定評価の基本的な手法は、原価法、取引事例比較法および収益還元法に大別される。2016.5-42-3
  4. 適切。収益還元法は、対象不動産が将来生み出すであろうと期待される純収益の現在価格を求めることにより不動産価格を求める手法です。自用不動産の評価でも賃貸を想定することによって適用することができます。
    収益還元法は、対象不動産が自用の不動産であっても、賃貸を想定することにより適用することができる手法である。2024.5-41-2
    収益還元法は、対象不動産が賃貸用不動産である場合だけでなく、自用の不動産であっても、賃貸を想定することにより適用されるものであるとされている。2022.9-42-4
    不動産鑑定評価基準において、収益還元法は、対象不動産が賃貸用不動産である場合だけでなく、自用の不動産であっても、賃貸を想定することにより適用されるものである。2016.5-42-4
したがって不適切な記述は[1]です。