FP2級過去問題 2022年9月学科試験 問42

問42

不動産鑑定評価基準における不動産の鑑定評価に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
  1. 不動産の価格を求める鑑定評価の基本的な手法は、原価法、取引事例比較法および収益還元法に大別され、鑑定評価に当たっては、対象不動産に係る市場の特性等を考慮し、これらのうち最も適した1つの手法に限定して適用することとされている。
  2. 最有効使用の原則は、不動産の効用が最高度に発揮される可能性に最も富む使用を前提として把握される価格を標準として不動産の価格が形成されるとする原則である。
  3. 原価法は、価格時点における対象不動産の再調達原価を求め、この再調達原価について減価修正を行って対象不動産の価格を求める手法である。
  4. 収益還元法は、対象不動産が賃貸用不動産である場合だけでなく、自用の不動産であっても、賃貸を想定することにより適用されるものであるとされている。

正解 1

問題難易度
肢152.6%
肢27.4%
肢314.3%
肢425.7%

解説

  1. [不適切]。不動産の鑑定評価の手法には「原価法」「取引事例比較法」「収益還元法」の3つがあります。不動産鑑定評価基準では、対象不動産の市場の特性等を適切に反映した複数の手法を併用して適用すべきであるとしています。本肢は「1つの手法に限定して適用」としているので不適切です。
    不動産の価格を求める鑑定評価の基本的な手法は、原価法、取引事例比較法および収益還元法に大別される。2018.5-42-1
  2. 適切。最有効使用の原則とは、不動産鑑定評価をする上での価格原則のひとつです。その不動産を実現可能な範囲内で最も有効的に活用したことを前提として把握される価格を標準として土地の価格を決定するというものです。
    不動産鑑定評価基準において、最有効使用の原則とは、不動産の価格は、その不動産の効用が最高度に発揮される可能性に最も富む使用を前提として把握される価格を標準として形成されるとする原則をいう。2021.3-42-2
    不動産鑑定評価基準において、最有効使用の原則とは、不動産の価格は、その不動産の効用が最高度に発揮される可能性に最も富む使用を前提として把握される価格を標準として形成されるとする原則をいう。2016.5-42-2
  3. 適切。原価法は、価格時点における対象不動産の再調達原価を求め、この再調達原価について減価修正を行って対象不動産の価格を求める手法です。使用度合や経過年数により価格は下がります。
    再調達原価
    対象不動産を価格時点において再調達することを想定した場合において必要とされる適正な原価の総額
    減価修正
    物理的要因、機能的要因及び経済的要因に基づき発生した減価額を対象不動産の再調達原価から控除して、適正な価格を求めること
    原価法は、価格時点における対象不動産の再調達原価を求め、この再調達原価について減価修正を行って対象不動産の価格を求める手法である。2023.9-42-1
    原価法は、価格時点における対象不動産の再調達原価を求め、この再調達原価について減価修正を行って対象不動産の価格を求める手法である。2023.5-41-3
    原価法は、価格時点における対象不動産の再調達原価を求め、この再調達原価について減価修正を行って対象不動産の価格を求める手法である。2022.1-42-4
    原価法は、価格時点における対象不動産の再調達原価を求め、この再調達原価について増価修正を行って対象不動産の価格を求める手法である。2020.9-42-1
    原価法は、価格時点における対象不動産の再調達原価を求め、この再調達原価について減価修正を行って対象不動産の価格を求める手法である。2018.5-42-2
    原価法は、価格時点における対象不動産の再調達原価を求め、当該再調達原価について減価修正を行って対象不動産の試算価格を求める手法である。2015.10-41-2
  4. 適切。収益還元法は、対象不動産を賃貸した場合に、将来生み出すと予想される純収益を現在価値に割り戻して、対象不動産の価格を求める方法です。賃貸用不動産だけでなく、自用の不動産であっても賃貸した場合を想定して適用することができます。
    不動産鑑定評価基準において、収益還元法は、対象不動産が賃貸用不動産である場合だけでなく、自用の不動産であっても、賃貸を想定することにより適用されるものであるとされている。2021.3-42-4
    不動産鑑定評価基準において、収益還元法は、対象不動産が賃貸用不動産である場合だけでなく、自用の不動産であっても、賃貸を想定することにより適用されるものである。2016.5-42-4
したがって不適切な記述は[1]です。