FP2級 2023年9月 実技(金財:生保)問4(改題)

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問4

Mさんは、Aさんに対して、下記の<前提>においてAさんが死亡した場合、妻Bさんが受給することができる公的年金制度からの遺族給付について説明した。Mさんが説明した以下の文章の空欄①~④に入る最も適切な語句または数値を、下記の〈語句群〉のなかから選び、その記号を解答用紙に記入しなさい。

<前提>
  • 妻Bさんは、遺族基礎年金および遺族厚生年金の受給権を取得する。
  • 妻Bさんおよび長男Cさんは、現在および将来においても、公的年金制度における障害等級に該当する障害の状態にないものとする。
 「現時点においてAさんが死亡した場合、妻Bさんに対して遺族基礎年金および遺族厚生年金が支給されます。遺族基礎年金を受けられる遺族の範囲は、死亡した者によって生計を維持されていた『子のある配偶者』または『子』です。『子』とは、原則として、18歳到達年度の末日までの間にあり、かつ、現に婚姻していない子等を指します。妻Bさんが受け取る遺族基礎年金の額は、『子』が1人のため、()円(2024年度価額)になります。
 遺族厚生年金の額は、原則として、Aさんの厚生年金保険の被保険者記録を基礎として計算した老齢厚生年金の報酬比例部分の額の()相当額になります。ただし、その計算の基礎となる被保険者期間の月数が()月に満たない場合、()月とみなして年金額が計算されます。
 また、長男Cさんについて18歳到達年度の末日が終了し、妻Bさんの有する遺族基礎年金の受給権が消滅したときは、妻Bさんが65歳に達するまでの間、妻Bさんに支給される遺族厚生年金の額に()が加算されます」
  1. イ.240
  2. ロ.300
  3. ハ.480
  4. ニ.894,300
  5. ホ.1,050,800
  6. ヘ.1,632,000
  7. ト.3分の2
  8. チ.4分の3
  9. リ.5分の4
  10. ヌ.振替加算
  11. ル.中高齢寡婦加算
  12. ヲ.経過的寡婦加算

正解 

分野

科目:A.ライフプランニングと資金計画
細目:5.公的年金

解説

〔①について〕
遺族基礎年金の額は「基本年金額+子の加算」で決まります。2024年度の基本年金額は816,000円、子の加算は、1人目・2人目の子は234,800円、3人目以降の子は78,300円です。子が1人の場合、基本年金額に子1人分の加算額を加えた額となります。

 816,000円+234,800円=1,050,800円

よって、正解は[ホ]の1,050,800(円)になります。

〔②について〕
遺族厚生年金の額は、死亡した人の老齢厚生年金の加入記録を基に計算した報酬比例部分の額の4分の3です。
よって、正解は[チ]の4分の3(相当額)になります。

〔③について〕
遺族厚生年金の額は、死亡した人の加入記録に基づいて決まるので、被保険者期間が少ない場合には十分な遺族補償にならないことがあります。このため、遺族厚生年金の計算上、被保険者期間が300月未満の場合は300月とみなして報酬比例部分の額を計算することになっています。
よって、正解は[ロ]の300(月)になります。

〔④について〕
夫の死亡により遺族厚生年金を受給している年金法上の子のいない妻には、40歳から65歳になるまで中高齢寡婦加算額が加算されます。長男Cさんが18歳の年度末を経過すると、遺族基礎年金の受給資格を失いますが、代わりに中高齢寡婦加算が支給されることになります。
なお、経過的寡婦加算とは、1956年(昭和31年)4月1日以前生まれで中高齢寡婦加算を受給していた妻が、65歳になり老齢基礎年金を受け取れるようになった時に、年金額の低下を補うために支給されるものです。
よって、正解は[ル]の中高齢寡婦加算になります。