FP2級過去問題 2024年5月学科試験 問57

問57

相続税の申告と納付に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  1. 相続税の申告書の提出は、原則として、相続の開始があったことを知った日の翌日から6ヵ月以内にしなければならない。
  2. 相続人が被相続人の配偶者のみである場合において、「配偶者に対する相続税額の軽減」の適用を受けることにより納付すべき相続税額が0(ゼロ)となるときは、当該配偶者は相続税の申告書を提出する必要はない。
  3. 相続により土地を取得した相続人が、その相続に係る相続税について延納を申請する場合、所定の要件を満たせば、相続人が相続開始前から所有していた土地を延納の担保として提供することができる。
  4. 相続税を延納するためには、納付すべき相続税額が100万円を超えていなければならない。

正解 3

問題難易度
肢15.9%
肢28.3%
肢377.5%
肢48.3%

解説

  1. 不適切。6ヵ月ではありません。相続税の申告書は、相続の開始があったことを知った日の翌日から10ヵ月以内に、被相続人の住所地を管轄する税務署長に提出する必要があります。
    期限内申告書に係る相続税の納付は、原則として、相続人がその相続の開始があったことを知った日の翌日から10ヵ月以内にしなければならない。2018.9-57-3
  2. 不適切。「配偶者の相続税額の軽減」の適用を受けることにより、算出される相続税額がゼロ(0円)になる場合であっても、当制度により相続税額がゼロ(0円)になったということを申告するために、必ず相続税の申告書を提出しなければなりません。
    相続人が被相続人の配偶者のみである場合、「配偶者に対する相続税額の軽減」の適用を受けた配偶者については、相続により取得した遺産額の多寡にかかわらず、納付すべき相続税額が生じない。2023.1-57-3
    相続税の計算において、「配偶者に対する相続税額の軽減」の規定の適用を受けると配偶者の納付すべき相続税額が0(ゼロ)となる場合、相続税の申告書を提出する必要はない。2018.9-57-1
    相続人が被相続人の配偶者のみである場合、「配偶者に対する相続税額の軽減」の適用を受ければ、相続により取得した財産額の多寡にかかわらず、原則として配偶者が納付すべき相続税額は0(ゼロ)となる。2014.9-56-1
  3. [適切]。相続税を延納する場合、原則として担保を提供しなくてはいけません。担保財産は、相続や遺贈により取得した財産に限られず、相続人固有の財産でも第三者が所有する財産でもよいことになっています。相続人が相続開始前から所有していた土地を延納の担保としても問題ありません。
    相続により土地を取得した者がその相続に係る相続税について延納を申請する場合、一定の要件を満たせば、その相続により取得した土地以外の土地を延納の担保として提供することができる。2023.1-60-1
    相続により土地を取得した者がその相続に係る相続税を延納する場合、取得した土地以外の土地を延納の担保として提供することはできない。2021.9-59-1
  4. 不適切。100万円ではありません。相続税は金銭による一括納付が原則ですが、納付すべき相続税額が10万円を超え、納期限までの納付が困難な理由があれば、延納を申請することができます。
したがって適切な記述は[3]です。