FP2級 2024年9月 実技(金財:生保)問13

【この問題にはが用意されています。読んでから回答してください。】

問13

各相続人は《設例》の記載のとおり、Aさんの財産を取得した。Aさんの相続に係る相続税の総額を計算した下記の表の空欄①~④に入る最も適切な数値を、解答用紙に記入しなさい。なお、問題の性質上、明らかにできない部分は「□□□」で示してある。
13_1.png/image-size:458×329
13_2.png/image-size:387×262
万円
万円
万円
万円

正解 

① 8,000(万円)
② 5,400(万円)
③ 5,220(万円)
④ 8,445(万円)

分野

科目:F.相続・事業承継
細目:4.相続と税金

解説

〔①について〕
妻Bさんが取得する相続財産は以下の5つです。
  • 現預金 2,000万円
  • 自宅(敷地300㎡) 2,000万円
  • 自宅(建物) 1,000万円
  • 死亡保険金 2,000万円
  • 死亡退職金 5,000万円
死亡保険金と死亡退職金は、それぞれ「500万円×法定相続人の数」の非課税枠があります。法定相続人は、妻Bさん・長男Cさん・孫Eさん・孫Fさんの4人なので非課税限度額はそれぞれ「500万円×4人=2,000万円」。これを控除すると相続税の課税価格に算入する額は、次の金額となります。
  • 死亡保険金 2,000万円-2,000万円=0円
  • 死亡退職金 5,000万円-2,000万円=3,000万円
妻Bさんに係る課税価格は上記5つを合計して、

 2,000+2,000+1,000+0+3,000=8,000万円

よって、正解は8,000(万円)です。

〔②について〕
遺産に係る基礎控除額は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」で計算します。
法定相続人は前述のとおり4人なので「3,000万円+600万円×4人=5,400万円」となります。
よって、正解は5,400(万円)です。

〔③について〕
相続税額の総額は、課税遺産総額を民法に定める法定相続分に従って取得したものとして、各相続人ごとに相続税額を算出し、それを合算して求めます。
6/401.png/image-size:520×286
まず課税遺産総額を求める必要があります。課税遺産総額は「相続税の課税価格の合計額-基礎控除額」で計算します。

 4億円-5,400万円=3億4,600万円

この金額を法定相続分に従って各相続人に配分します。法定相続人は妻Bさん・長男Cさん・孫Eさん・孫Fさんの4人であり、それぞれの法定相続分は次のとおりです。
  • 妻B … 1/2
  • 長男C … 1/2×1/2=1/4
  • 孫E・孫F … 各 1/2×1/2×1/2=1/8
まず、課税遺産総額3億4,600万円を法定相続分で各人に分配します。
  • 妻B … 3億4,600万円×1/2=1億7,300万円
  • 長男C … 3億4,600万円×1/4=8,650万円
  • 孫E・孫F … 各 3億4,600万円×1/8=4,325万円
次に速算表を利用して、各人ごとの相続税額を算出します。
  • 妻B … 1億7,300万円×40%-1,700万円=5,220万円
  • 長男C … 8,650万円×30%-700万円=1,895万円
  • 孫E・孫F … 各 4,325万円×20%-200万円=665万円
ここまでの計算で、妻Bさんの法定相続分から算出される相続税額は5,220万円になるとわかります。
よって、正解は5,220(万円)です。

〔④について〕
全員の算出税額を合算した金額が相続税の総額になります。

 5,220万円+1,895万円+665万円×2=8,445万円

よって、正解は8,445(万円)です。