FP2級過去問題 2025年5月学科試験 問11
問11
生命保険の保険料等の一般的な仕組みに関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。- 責任準備金は、保険会社が将来の保険金等の支払のために、保険数理に基づいて算定し、積み立てる準備金である。
- 保険料のうち、将来の保険金等の支払財源となる純保険料は、予定死亡率と予定利率に基づいて計算される。
- 終身保険について、保険料の算定に用いられる予定利率が引き上げられた場合、新規契約の保険料は高くなる。
- 保険会社が実際に要した事業費が、保険料を算定する際に見込んでいた事業費よりも少なかった場合、費差益が生じる。
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正解 3
問題難易度
肢113.2%
肢211.2%
肢366.2%
肢49.4%
肢211.2%
肢366.2%
肢49.4%
分野
科目:B.リスク管理細目:3.生命保険
解説
- 適切。責任準備金は、保険会社が将来の保険金・給付金を支払うために積み立てている金額です。保険料積立金・未経過保険料・払戻積立金・危険準備金からなり、このうち保険料積立金と払戻積立金については、原則として「平準純保険料式」と呼ばれる保険数理に基づいて積立金額を算出することが義務付けられています。責任準備金は、保険会社が、将来の保険金等および契約者配当金の支払財源として保険数理に基づいて算定し、積み立てておく準備金である。(2024.9-12-3)責任準備金は、保険会社が将来の保険金等の支払いの財源とするため、保険数理に基づいて算定し、積み立てる準備金である。(2023.1-12-4)責任準備金は、将来の保険金・給付金等の支払いの責任に応じるために、保険数理に基づいて算定されて積み立てられる。(2019.5-11-4)
- 適切。生命保険の保険料は「純保険料」と「付加保険料」で構成されています。
- 純保険料
- 死亡保険金・生存保険金の給付財源に充てられる部分で、予定死亡率と予定利率を基に算定される
- 付加保険料
- 保険会社が保険契約を維持・管理していくための必要経費に充てられる部分で、予定事業費率を基に算定される
- [不適切]。予定利率が引き上げられると、保険料の運用による収益見込額が増加します。運用益が多くなりますから、収支相等の原則により、同じ収入を確保するために集めるべき保険料は少なくて済みます。よって、新規契約の保険料は安くなります。終身保険について、保険料の算定に用いられる予定利率が引き上げられた場合、新規契約の保険料は安くなる。(2023.5-11-3)終身保険の死亡保険金の支払いに充てるために必要な保険料の計算に用いられる予定死亡率が高く設定された場合、新規契約の保険料は安くなる。(2023.1-12-3)
- 適切。本肢は「実際の事業費<予定事業費」という状況です。予定よりも事業費が少なくて済んだので、その分が保険会社の利益となります。これが「費差益」です。保険会社が実際に要した事業費が、保険料を算定する際に見込んでいた事業費よりも少なかった場合、費差益が生じる。(2023.5-11-4)保険会社が実際に要した事業費が、保険料を算定する際に見込んでいた事業費よりも多かった場合、費差益が生じる。(2022.9-11-4)保険会社が実際に要した事業費が、予定していた事業費よりも少なかった場合、費差益が生じる。(2021.9-11-4)
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