FP2級 2025年5月 実技(金財:個人)問5

【この問題にはが用意されています。読んでから回答してください。】

問5

Mさんは、Aさんと長女Cさんに対して、《設例》の〈X社株式およびY社株式の情報〉〈X社およびY社の財務データ〉に基づき、株式投資の主な投資指標について説明した。Mさんが説明した以下の文章の空欄①~④に入る最も適切な数値を答えなさい。〈答〉は、表示単位の小数点以下第3位を四捨五入し、小数点以下第2位までを答えること。なお、問題の性質上、明らかにできない部分は「□□□」で示してある。
  1. 「株式の代表的な投資指標として、PERがあります。X社株式とY社株式のPERを比較すると、X社株式は()倍、Y社株式は□□□倍であり、X社株式のほうが低くなっています。一般に、PERが低いほど株価は割安とされていますが、投資を検討する際は、同業種の銘柄のPERの平均値との比較や、別の投資指標による比較も行うとよいでしょう」
  2. 「配当金額から企業を評価する代表的な指標として、配当性向と配当利回りがあります。X社の配当性向は()%、Y社の配当性向は□□□%であり、X社株式の配当利回りは()%、Y社株式の配当利回りは□□□%です。いずれの指標もX社のほうが高くなっています。一般に、配当性向が高いほど株主への利益還元の度合いが大きいと判断されますが、成長性の高い企業が利益を配当せずに再投資して事業拡大を図ることもありますので、配当性向が高い企業が必ずしも優れた企業というわけではありません」
  3. 「企業の経営の効率性を測る指標として、ROEがあります。X社のROEは□□□%、Y社のROEは()%であり、Y社のほうが高くなっています。一般に、ROEが高いほど経営の効率性が高いと判断されますが、ROEの数値だけで企業の経営状況を判断するのではなく、企業の成長性や経営の安全性などについても確認するとよいでしょう」

正解 

① 14.22(倍)
② 31.11(%)
③ 2.19(%)
④ 11.18(%)

分野

科目:C.金融資産運用
細目:5.株式投資

解説

〔①について〕
PER(株価収益率)は「株価÷1株当たり純利益」で計算します。X社の発行済株式数は6,000万株、当期純利益は135億円なので、1株当たり純利益は「135億円÷0.6億株=225円」です。X社の株価は3,200円なので、

 3,200円÷225円=14.222…倍
(小数点以下第3位を四捨五入)14.22倍

よって、正解は14.22(倍)になります。

〔②について〕
配当性向は「年間配当金総額÷当期純利益×100」で計算します。X社の配当金総額は42億円、当期純利益は135億円なので、

 42億円÷135億円×100=31.111…%
(小数点以下第3位を四捨五入)31.11%

よって、正解は31.11(%)になります。

〔③について〕
配当利回りは「1株当たり年間配当金÷株価×100」で計算します。X社の配当金総額は42億円、発行済株式数は6,000万株なので、1株当たりの年間配当金額は「42億円÷0.6億株=70円」です。X社の株価は3,200円なので、配当利回り(%)は、

 70円÷3,200円×100=2.187…%
(小数点以下第3位を四捨五入)2.19%

よって、正解は2.19(%)です。

〔④について〕
ROE(自己資本利益率)は「当期純利益÷自己資本×100」の式で計算します。Y社の当期純利益は123億円、自己資本(=純資産)は1,100億円なので、

 123億円÷1,100億円×100=11.181…%
(小数点以下第3位を四捨五入)11.18%

よって、正解は11.18(%)です。