金融商品と税金(全35問中25問目)

No.25

NISAの「成長投資枠」および「つみたて投資枠」に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、本問においては、特定非課税累積投資契約による非課税口座をNISA口座といい、NISA口座に設定される特定非課税管理勘定を「成長投資枠」、特定累積投資勘定を「つみたて投資枠」という。
2016年1月試験 問28
  1. 非課税保有限度額(生涯総枠)は金融機関によって管理されるため、NISA口座を開設した場合、その翌年以降に異なる金融機関にNISA口座を開設することはできない。
  2. 「成長投資枠」を通じて購入した上場株式等を売却することにより生じた損失は、確定申告することにより、同じNISA口座で保有する他の上場株式等の配当金等や譲渡益と通算することができる。
  3. 非課税保有限度額(生涯総枠)は、つみたて投資枠と成長投資枠をあわせて1,800万円であるが、そのうち成長投資枠の利用は1,200万円が上限とされている。
  4. 「成長投資枠」での買付方法はスポット投資のみで、積立投資は「つみたて投資枠」でしかすることができない。

正解 3

問題難易度
肢117.0%
肢211.5%
肢354.7%
肢416.8%

解説

  1. 不適切。NISA口座は、1年単位で開設する金融機関を変更することができます。ただし、同一年中に成長投資枠とつみたて投資枠を別々の金融機関に設定することはできません。なお、NISA利用者の非課税保有限度額(生涯総枠)については、国税庁が一括管理を行います。
  2. 不適切。通常であれば上場株式等の譲渡損失は損益通算の対象となりますが、NISA口座内で発生した損失はなかったものとされるため、NISA口座および課税口座(一般口座・特定口座)内の配当金等や譲渡益と損益通算することはできません。
    「成長投資枠」内の上場株式等の譲渡損失の金額については、確定申告を行うことにより、同一のNISA口座で受け取った配当金等の金額と損益通算することができる。2018.1-29-3
    NISA口座内の上場株式等の譲渡損失の金額については、確定申告を行うことにより、同一のNISA口座で受け取った配当金等と損益通算することができる。2017.5-27-1
    「成長投資枠」を通じて購入した上場株式等を売却することにより生じた損失は、確定申告することにより、一般口座や特定口座で保有する他の上場株式等の配当金等や譲渡益と通算することができる。2016.9-28-3
  3. [適切]。2024年以降のNISAでは一生涯の投資枠が定められています。非課税保有限度額(生涯総枠)は、つみたて投資枠は1,800万円まで、成長投資枠は1,200万円まで、かつ両者を合計して1,800万円までとなっています。
    長期投資を始めたいと考えているCさんに対し、「NISAの非課税保有限度額(生涯総枠)は、つみたて投資枠と成長投資枠をあわせて1,800万円ですが、そのうち、つみたて投資枠の利用は1,200万円が上限です」とアドバイスした。2019.9-30-3
  4. 不適切。つみたて投資枠は、毎月定額を買い付ける積立投資しかできませんが、成長投資枠では好きなタイミングで購入するスポット投資のほか積立投資も可能です。
したがって適切な記述は[3]です。