投資信託(全41問中4問目)

No.4

わが国における上場投資信託(ETF)および上場不動産投資信託(J-REIT)の特徴に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
2023年9月試験 問22
  1. ETFは、非上場の投資信託と異なり、運用管理費用(信託報酬)は発生しない。
  2. ETFを市場で売却する際には、信託財産留保額はかからない。
  3. J-REITの分配金は、所得税の配当控除の対象となる。
  4. J-REITは、一般に、信託財産の解約ができるオープン・エンド型の投資信託として設定されている。

正解 2

問題難易度
肢111.8%
肢236.9%
肢324.8%
肢426.5%

解説

  1. 不適切。ETFには、売買コストと保有コストがかかります。売買コストはETFを売買するときに証券会社に支払う委託手数料です。保有コストは運用管理費用(信託報酬)と呼ばれる信託財産の運用や管理に要する費用で、信託財産の中から日々徴収されています。
    ETFは、非上場の投資信託と異なり、運用管理費用(信託報酬)は発生しない。2022.5-23-1
    ETFは、売買の際に上場株式と同様に売買委託手数料が発生するが、非上場の投資信託と異なり、運用管理費用(信託報酬)は発生しない。2021.5-23-2
    ETFの売買には、上場株式と同様に売買委託手数料が発生するが、非上場の投資信託とは異なり、運用管理費用(信託報酬)は発生しない。2020.9-23-1
    ETFは、売買の際に上場株式と同様に売買委託手数料がかかるが、非上場の投資信託とは異なり、運用管理費用(信託報酬)は徴収されない。2019.5-22-2
    非上場の投資信託とは異なり、運用管理費用(信託報酬)は徴収されないが、売買の際には上場株式と同様に売買委託手数料がかかる。2017.9-22-3
  2. [適切]。信託財産留保額は、投資信託の解約に伴って発生する取引コストであり、信託財産の中にある有価証券の一部を売却するための費用を中途解約者に負担させるものです。ETFも投資信託ですが、市場での売買はその受益証券の所有権が移転しているだけであり、解約ではないため信託財産留保額はかかりません。
    ETFを市場で売却する際には、信託財産留保額はかからない。2024.9-22-1
    ETFを市場で売却する際には、証券会社に支払う委託手数料のほか、信託財産留保額がかかる。2018.9-23-3
  3. 不適切。J-REITの収益分配金は、上場株式の配当金と同様に扱われますが、分配金は配当控除の適用を受けることはできません。上場株式の配当金は法人税を差し引いた後の利益を配当するため、二重課税を回避する目的で配当控除が適用されます。しかし、J-REITの分配金は法人税が差し控える前の収益を配分しているので配当控除の対象外とされています。
  4. 不適切。オープン・エンド型ではありません。投資信託には、いつでも信託財産の解約ができる「オープン・エンド型」と、原則として中途解約ができない「クローズ・エンド型」があります。J-REITは「クローズ・エンド型」ですが、証券取引所に上場されているため取引所を通じて売却できます。
したがって適切な記述は[2]です。