相続と法律(全76問中25問目)

No.25

遺言に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
2021年9月試験 問53
  1. 公正証書による遺言をした者は、その遺言を自筆証書による遺言によって撤回することはできない。
  2. 自筆証書によって遺言をするためには、作成時、証人2人以上の立会いが必要である。
  3. 未成年者が遺言をするには、その法定代理人の同意を得なければならない。
  4. 遺言書に認知する旨の記載をすることによって、遺言者は子の認知をすることができる。

正解 4

問題難易度
肢16.8%
肢219.3%
肢315.0%
肢458.9%

解説

  1. 不適切。遺言の撤回は、原則として、新しく作成した遺言に以前の遺言を撤回する記述をすることにより行います。撤回を記述する遺言書は以前と同じ方式である必要はないため、公正証書遺言の内容を自筆証書遺言で撤回することも可能です。
    公正証書遺言は、自筆証書遺言によって撤回することはできず、公正証書遺言によってのみ撤回することができる。2023.9-56-4
    公正証書遺言を作成した者は、その遺言を自筆証書遺言によって撤回することはできず、公正証書遺言によってのみ撤回することができる。2022.5-56-2
  2. 不適切。自筆証書遺言の作成に証人の立会いは不要です。
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    公正証書によって遺言をするには証人2人以上の立会いが必要であり、推定相続人は、その証人になることができる。2018.1-55-4
    公正証書によって遺言をする際には、証人2人以上の立会いが必要とされる。2017.5-56-1
    公正証書によって遺言をするには証人2人以上の立会いが必要であり、推定相続人は、その証人になることができる。2016.9-55-2
  3. 不適切。15歳以上の意思能力のある人であれば遺言をすることができます。未成年者であっても法定代理人の同意は不要です。
    遺言は、未成年者であっても、満15歳以上の者で、かつ、遺言をする時にその能力があれば、法定代理人の同意を得ることなく単独ですることができる。2022.1-56-1
    遺言は、未成年者であっても、満15歳以上の者で、かつ、遺言をする時にその能力があれば、法定代理人の同意を得ることなく単独ですることができる。2020.9-54-1
  4. [適切]。子の認知とは、婚姻関係にない男女の間に生まれた子(非嫡出子)を、父または母が法律上の子であること認めることです。子の認知により非嫡出子にも相続権が生じます。
    子の認知は原則として戸籍法に定める届出によって行いますが、遺言で子の認知をすることもできます。
    遺言書に認知する旨の記載をすることによって、遺言者は子の認知をすることができる。2018.1-55-1
したがって適切な記述は[4]です。