相続と法律(全76問中73問目)

No.73

遺言に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
2014年1月試験 問54
  1. 自筆証書遺言は、財産目録部分を除き、遺言者がその全文、日付および氏名を自書し、押印することによって成立するが、印鑑登録された実印で押印しなければ遺言書自体が無効となる。
  2. 公正証書遺言の作成時において、遺言者の配偶者が証人として立ち会うことはできない。
  3. 遺言者の死亡以前に受遺者が死亡していた場合は、遺言者がその遺言に別段の意思を表示していない限り、受遺者の代襲相続人が遺贈を受ける権利を承継する。
  4. 遺言者が自筆証書遺言と公正証書遺言の両方を作成していた場合は、公正証書遺言の作成日付が自筆証書遺言の作成日付よりも前であっても、公正証書遺言の内容が優先して有効される。

正解 2

問題難易度
肢17.3%
肢268.8%
肢319.7%
肢44.2%

解説

  1. 不適切。自筆証書遺言は、遺言者がその全文、日付および氏名を自書し、押印することによって作成しますが、印鑑は実印ではなく認印でも有効になります。
    自筆証書によって遺言をするには、財産目録部分を除き、遺言者がその全文、日付および氏名を自書し、これに押印することが必要である。2018.1-55-2
    自筆証書によって遺言をするには、財産目録部分を除き、遺言者による遺言書の全文、日付および氏名の自書ならびに押印が必要である。2016.9-55-1
    自筆証書による遺言書には、財産目録部分を除き、遺言者による全文、日付、氏名の自書および押印が必要である。2013.5-52-3
  2. [適切]。公正証書遺言を作成する際には、必ず2人以上の証人の立会いが必要となります。ただし、遺言内容とかかわりの深い配偶者や推定相続人などは証人になれません。
    公正証書遺言の作成において、遺言者の配偶者は証人として立ち会うことができない。2024.5-56-1
    公正証書遺言の作成において、遺言者の推定相続人とその配偶者は証人として立ち会うことができない。2023.9-56-3
    公正証書遺言を作成する際には、証人2人以上の立会いが必要とされる。2023.5-54-1
    公正証書遺言を作成した遺言者は、その遺言を自筆証書遺言によって撤回することができる。2023.5-54-2
    公正証書遺言を作成する場合において、遺言者の推定相続人は、証人として立ち会うことができない。2022.5-56-4
    公正証書遺言を作成する際には、証人2人以上の立会いが必要とされる。2022.1-56-3
    公正証書遺言を作成した遺言者は、その遺言を自筆証書遺言によって撤回することはできない。2020.9-54-3
    公正証書遺言を作成する場合において、遺言者の配偶者は証人として立ち会うことはできない。2020.9-54-4
    公正証書遺言は、その作成時において遺言者が所有するすべての財産について受遺者を指定しなければならない。2015.1-56-1
  3. 不適切。遺言者より先に受遺者(遺贈を受ける者)が先に死亡した場合、遺言者がその遺言に別段の意思を表示していない限り、遺贈は効力を生じません。効力を生じないのですから、受遺者の代襲相続人(子や孫)は、遺贈を受ける権利を承継できません。
  4. 不適切。遺言者が2通以上の遺言を作成していた場合、内容が抵触する部分は、その遺言の種類にかかわらず日付の新しい方の遺言の内容が有効とされます。
    遺言者が自筆証書遺言と公正証書遺言の両方を作成していた場合は、公正証書遺言の作成日付が自筆証書遺言の作成日付よりも前であっても、公正証書遺言の内容が優先して有効とされる。2015.10-54-3
したがって適切な記述は[2]です。