相続と法律(全76問中8問目)
No.8
民法上の遺言に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、各選択肢において、ほかに必要とされる要件等はすべて満たしているものとする。2024年5月試験 問56
- 公正証書遺言の作成において、遺言者の配偶者は証人として立ち会うことができない。
- 自筆証書遺言の作成に当たって、自筆証書にこれと一体のものとして添付する財産目録をパソコンで作成する場合、その財産目録への署名および押印は不要である。
- 同一の遺言者による公正証書遺言と自筆証書遺言について、それぞれの内容が異なっている場合、その異なっている部分については、作成日付の新しい遺言の内容が効力を有する。
- 自筆証書遺言書保管制度により法務局(遺言書保管所)に保管されている自筆証書遺言は、遺言者の相続開始後、家庭裁判所の検認が不要である。
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正解 2
問題難易度
肢15.7%
肢281.8%
肢34.4%
肢48.1%
肢281.8%
肢34.4%
肢48.1%
分野
科目:F.相続・事業承継細目:3.相続と法律
解説
- 適切。配偶者は推定相続人に当たるため証人として立ち会うことはできません。公正証書によって遺言をするには証人2人以上の立会いが必要ですが、未成年者・推定相続人・受遺者・その配偶者・直系血族にあたる者等は証人になれません。公正証書遺言の作成において、遺言者の推定相続人とその配偶者は証人として立ち会うことができない。(2023.9-56-3)公正証書遺言を作成する際には、証人2人以上の立会いが必要とされる。(2023.5-54-1)公正証書遺言を作成した遺言者は、その遺言を自筆証書遺言によって撤回することができる。(2023.5-54-2)公正証書遺言を作成する場合において、遺言者の推定相続人は、証人として立ち会うことができない。(2022.5-56-4)公正証書遺言を作成する際には、証人2人以上の立会いが必要とされる。(2022.1-56-3)公正証書遺言を作成した遺言者は、その遺言を自筆証書遺言によって撤回することはできない。(2020.9-54-3)公正証書遺言を作成する場合において、遺言者の配偶者は証人として立ち会うことはできない。(2020.9-54-4)公正証書遺言は、その作成時において遺言者が所有するすべての財産について受遺者を指定しなければならない。(2015.1-56-1)公正証書遺言の作成時において、遺言者の配偶者が証人として立ち会うことはできない。(2014.1-54-2)
- [不適切]。自筆証書遺言に添付する財産目録については、自書によらずにパソコン等で作成することができます。遺言との一体性を証明するため、自書によらない財産目録の各ページには遺言者の署名押印が必要です。遺言者が自筆証書遺言に添付する財産目録をパソコンで作成する場合、当該目録への署名および押印は不要である。(2023.9-56-2)遺言者が自筆証書遺言に添付する財産目録をパソコンで作成する場合、当該目録への署名および押印は不要である。(2022.1-56-2)
- 適切。遺言者が2通以上の遺言を作成していた場合、内容の異なる部分についてはその種類にかかわらず日付の新しい方の遺言内容が有効とされます。「公正証書遺言の内容が優先される」というヒッカケ問題に注意しましょう。公正証書遺言を作成した遺言者が、自筆証書遺言も作成し、それぞれの内容が異なっている場合、その異なっている部分について作成日付の新しい遺言の内容が効力を有する。(2020.1-60-4)
- 適切。2020年7月から自筆証書遺言を法務局で安全に保管する「自筆証書遺言書保管制度」が開始しています。自筆証書遺言は改ざんや変造のおそれがあるため、相続開始後、自筆証書遺言の保管者や発見者は家庭裁判所に検認を申し立てなければなりませんが、「自筆証書遺言書保管制度」で保管されていた遺言については、偽造や変造のおそれがないため検認手続きが不要になります。自筆証書遺言は、自筆証書遺言書保管制度により法務局(遺言書保管所)に保管されているものであっても、相続開始後に家庭裁判所の検認を受けなければならない。(2023.5-54-4)遺言者が法務局における自筆証書遺言書保管制度を利用した場合、その自筆証書遺言について、相続開始後の家庭裁判所の検認手続きは不要である。(2022.1-56-4)
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