FP2級過去問題 2015年9月学科試験 問7
問7
公的年金の併給調整に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。- 遺族厚生年金を受給している者が、65歳以降に老齢基礎年金の受給権を取得した場合、遺族厚生年金と老齢基礎年金は併給される。
- 障害基礎年金を受給している者が、65歳以降に老齢厚生年金の受給権を取得した場合、障害基礎年金と老齢厚生年金は併給される。
- 障害基礎年金を受給している者が、65歳以降に遺族厚生年金の受給権を取得した場合、障害基礎年金と遺族厚生年金は併給される。
- 障害厚生年金を受給している者が、65歳以降に老齢基礎年金の受給権を取得した場合、障害厚生年金と老齢基礎年金は併給される。
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正解 4
問題難易度
肢124.4%
肢211.1%
肢319.9%
肢444.6%
肢211.1%
肢319.9%
肢444.6%
分野
科目:A.ライフプランニングと資金計画細目:5.公的年金
解説
公的年金の併給可否は以下のようになっています。「1人1年金」の原則があるので、支給事由(老齢・障害・遺族)の異なる2つ以上の年金を受けることは原則としてできません。ただし、老後の生計維持等を目的として、障害基礎×老齢厚生、障害基礎×遺族厚生、老齢基礎×遺族厚生の3つの組合せは65歳以上に限り例外的に併給が認められています。
- 適切。65歳以降であれば、遺族厚生年金と老齢基礎年金は併給可能です(図の右上)。老齢厚生年金を受給している配偶者が死亡すると、残された人は自らの年金だけで老後の生計を維持しなければならないこともあり、生活レベルの大幅な減退が予想されます。併給が可能となっているのは、所得保障という面から配偶者が受けていた年金の一部を遺族厚生年金として継続して受給できるようにするためです。遺族厚生年金の受給権者が、65歳到達日に老齢厚生年金の受給権を取得した場合、65歳以降、その者の選択によりいずれか一方の年金が支給され、他方の年金は支給停止となる。(2024.1-5-4)遺族厚生年金の受給権者が、65歳到達日に老齢基礎年金の受給権を取得した場合、遺族厚生年金が支給される際には老齢基礎年金も併給される。(2022.9-5-1)遺族厚生年金と老齢厚生年金の受給権を有している者は、65歳以降、その者の選択によりいずれか一方の年金が支給され、他方の年金は支給停止となる。(2019.9-7-2)遺族厚生年金の受給権者が65歳以降に老齢基礎年金の受給権を取得した場合、その者の選択により、いずれか一方の年金が支給され、他方の年金は支給停止となる。(2017.1-7-2)遺族厚生年金の受給権者が特別支給の老齢厚生年金の受給権を取得した場合、その者は65歳に達するまではいずれか一方の年金を選択して受給することになる。(2015.5-6-4)遺族厚生年金の受給権者が特別支給の老齢厚生年金の受給権を取得した場合、その者は65歳に達するまではいずれか一方の年金を選択して受給することになる。(2014.1-7-2)遺族厚生年金の受給者が特別支給の老齢厚生年金の受給権を取得した場合、遺族厚生年金と特別支給の老齢厚生年金は併給される。(2013.5-7-1)
- 適切。65歳以降であれば、障害基礎年金と老齢厚生年金は併給可能です(図の左中央)。障害基礎年金の受給者は長時間働いても老齢年金の額が少なく、結果として障害基礎年金を選ぶケースが多くあります。この場合、厚生年金保険料は払い損になってしまいます。併給が可能となっているのは、障害を抱える方の就労を評価し、適切に年金給付に反映させるためです。障害基礎年金と遺族厚生年金の受給権を有している者は、65歳以降、障害基礎年金と遺族厚生年金を同時に受給することができる。(2023.1-7-1)障害基礎年金と老齢厚生年金の受給権を有している者は、65歳以降、障害基礎年金と老齢厚生年金を同時に受給することができる。(2019.9-7-1)障害基礎年金と遺族厚生年金の受給権を有している者は、65歳以降、障害基礎年金と遺族厚生年金を同時に受給することができる。(2019.9-7-3)障害基礎年金と遺族厚生年金は、その受給権者が65歳以上の場合は併給される。(2013.5-7-3)
- 適切。65歳以降であれば、障害基礎年金と遺族厚生年金は併給可能です(図の右中央)。併給が可能となっているのは、所得保障という面から配偶者が受けていた年金の一部を遺族厚生年金として継続して受給できるようにするためです。障害基礎年金と老齢厚生年金の受給権を有している者は、65歳以降、障害基礎年金と老齢厚生年金を同時に受給することができる。(2023.1-7-2)障害基礎年金と老齢厚生年金は、その受給権者が65歳以上の場合は併給される。(2013.5-7-2)
- [不適切]。障害厚生年金と老齢基礎年金は、「1人1年金」の原則どおり65歳以降であっても併給することはできません(図の上中央)。この場合、障害年金か老齢年金のいずれかを選択することになります。理由としては、障害等級1級・2級であれば障害基礎年金を選択したほうが常に有利なので老齢基礎年金との併給を認める合理的な根拠がないこと、障害等級3級の障害厚生年金は単体として受給することを前提として最低保障額があるので併給になじまないことなどがあると思われます。障害基礎年金の受給権者が65歳以降に老齢厚生年金の受給権を取得した場合、障害基礎年金と老齢厚生年金は併給される。(2017.1-7-1)老齢基礎年金の受給権者が65歳以降に遺族厚生年金の受給権を取得した場合、老齢基礎年金と遺族厚生年金は併給される。(2014.1-7-1)
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