FP2級過去問題 2016年5月学科試験 問59

問59

相続税の納付に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
  1. 相続税の延納を申請するに当たって、担保として提供することができる財産は、相続または遺贈により取得した財産に限られる。
  2. 相続税の納期限までに、または納付すべき日に金銭で納付することを困難とする事由があり、納付すべき相続税額が10万円を超える場合、原則として担保を提供し、所定の手続きにより、相続税の延納を申請することができる。
  3. 相続税を物納する場合における物納財産の収納価額は、原則として相続税の課税価格計算の基礎となったその財産の価額となる。
  4. 相続により取得した財産のうちに抵当権が設定されている不動産があった場合、その不動産を相続税の物納に充てることはできない。

正解 1

問題難易度
肢168.4%
肢28.1%
肢38.7%
肢414.8%

解説

  1. [不適切]。相続税を延納する場合、担保を提供しなくてはいけません。担保財産は、相続や遺贈により取得した財産に限られず、相続人固有の財産でも第三者が所有する財産でもよいことになっています。相続により取得した土地以外の土地でも問題ありません。
    相続税の延納を申請するに当たって、担保として提供することができる財産は、相続または遺贈により取得した財産に限られる。2021.3-60-2
    相続税の延納を選択する場合、延納の担保として提供することができる財産は、相続または遺贈により取得した財産に限られる。2014.9-59-2
  2. 適切。金銭一括納付が困難で、納付するべき相続税額が10万円超の場合、申告期限までに延納申請書を提出し、許可を受けることで分納で納めることができます。
    相続税の納期限までに、または納付すべき日に金銭で納付することを困難とする事由があり、納付すべき相続税額が10万円を超える場合、原則として担保を提供するなど所定の手続きにより、相続税の延納を申請することができる。2021.3-60-1
  3. 適切。金銭一括や延納による納付が困難な場合、申請により納付を困難とする金額を限度に物で納めることができます。物納できる財産は、原則として、相続税の課税価格の基礎となった財産に限られます。
    相続税を物納する場合における物納財産の収納価額は、原則として、相続税の課税価格計算の基礎となった当該財産の価額となる。2021.3-60-4
  4. 適切。抵当権等の担保権が設定されている不動産は、管理処分不適格財産であるため相続税の物納に充てることはできません。
    相続により抵当権の目的となっている不動産を取得した場合、その不動産を相続税の物納に充てることはできない。2021.3-60-3
したがって不適切な記述は[1]です。