FP2級過去問題 2020年1月学科試験 問23

問23

各種債券の一般的な特徴に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
  1. 仕組債は、一般に、相対的に高い金利が設定されている半面、通常の債券に生じる信用リスクなどに加え、契約条項により償還金額が額面金額を下回るリスクなどがある。
  2. 転換社債型新株予約権付社債は、発行時に決められた転換価額で株式に転換することができる権利が付いた債券である。
  3. 他社株転換条項付債券は、対象となる株式の判定日における株価によって、額面金額で償還されるか、株式で償還されるかが決まる。
  4. リバース・デュアルカレンシー債は、購入代金の払込みおよび利払いが円貨で、償還金の支払いが外貨で行われる。

正解 4

問題難易度
肢18.2%
肢29.7%
肢324.6%
肢457.5%

解説

  1. 適切。仕組債は、一般的な債券ではなく、スワップやオプションなどのデリバディブ取引を組み合わせた特別な仕組みを持つ債権です。一般的な債券よりも利率は高いのですが、信用リスクに加え、株価変動等による元本割れリスクがあります。他社株転換可能債(EB債)や株価指数連動債(リンク債)が代表的な存在です。
  2. 適切。転換社債型新株予約権付社債は、一定の条件により、発行体の企業の株式に転換できる権利が付いた債券のことです。
    転換社債型新株予約権付社債は、発行時に決められた転換価額で株式に転換することができる権利が付いた債券である。2021.9-24-2
    転換社債型新株予約権付社債は、特定の価格(転換価額)で株式に転換することができる権利が付いた債券である。2014.9-24-4
  3. 適切。他社株転換可能債(EB債)は、その満期償還時において、償還金が支払われる代わりに、他社株式が交付される可能性がある仕組債です。どちらが交付されるかは指定された株式の価格によって決まり、投資家が選択することはできません。
  4. [不適切]。リバース・デュアルカレンシー債は、日本が契約主体の場合に、払込みと償還が円貨、利払いが外貨の債券です。本肢の記述は、デュアルカレンシー債を説明したものです。
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    デュアルカレンシー債は、購入代金の払込みおよび利払いの通貨と、償還される通貨が異なる債券である。2021.9-24-3
    デュアルカレンシー債は、購入代金の払込みおよび利払いの通貨と、償還される通貨が異なる債券である。2014.9-24-3
したがって不適切な記述は[4]です。