FP2級過去問題 2021年9月学科試験 問6
問6
公的年金制度の障害給付に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。- 障害厚生年金の額を計算する際に、その計算の基礎となる被保険者期間の月数が300月に満たない場合、300月として計算する。
- 国民年金の被保険者ではない20歳未満の期間に初診日および障害認定日があり、20歳に達した日において障害等級1級または2級に該当する程度の障害の状態にある者に対しては、その者の前年の所得の額にかかわらず、障害基礎年金が支給される。
- 障害基礎年金の受給権者が、所定の要件を満たす配偶者を有する場合、その受給権者に支給される障害基礎年金には、配偶者に係る加算額が加算される。
- 障害手当金の支給を受けようとする者が、同一の傷病により労働者災害補償保険の障害補償給付の支給を受ける場合、障害手当金と障害補償給付の支給を同時に受けることができる。
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正解 1
問題難易度
肢159.5%
肢211.2%
肢319.9%
肢49.4%
肢211.2%
肢319.9%
肢49.4%
分野
科目:A.ライフプランニングと資金計画細目:5.公的年金
解説
- [適切]。障害厚生年金の額は、老齢厚生年金の報酬比例部分をもとに計算されます。報酬比例部分の額は被保険者期間等に応じて決まるので、被保険者期間が短い場合には年金額が少なくなってしまい十分な生活保障となりません。このため、被保険者期間が300月未満のときには300月とみなして計算することで、一定の保障機能を確保する仕組みになっています。障害厚生年金の額の計算上、その計算の基礎となる被保険者期間の月数が300月に満たない場合、300月として計算する。(2024.5-7-2)障害厚生年金の額を計算する際に、その計算の基礎となる被保険者期間の月数が300月に満たない場合、300月として計算する。(2024.1-5-2)
- 不適切。20歳前傷病による障害基礎年金には所得制限があります。20歳未満の国民年金の被保険者でない期間に初診日がある傷病であっても、20歳到達日や20歳以後の障害認定日において障害等級1級または2級に該当するときは、障害基礎年金が支給されます。ただし、この20歳前傷病による障害基礎年金は、保険料を納めた対価ではなく生活扶助的な保障であるため所得制限があり、受給権者の前年所得が一定以上の場合には全部または2分の1が支給停止されることになっています。国民年金の被保険者ではない20歳未満の期間に初診日および障害認定日があり、20歳に達した日において障害等級1級または2級に該当する程度の障害の状態にある者には、その者の所得にかかわらず、障害基礎年金が支給される。(2021.1-7-4)国民年金の被保険者でない20歳未満の期間に初診日がある傷病により、20歳に達した日またはその日後において障害等級1級または2級に該当する障害の状態にある者は、その者の所得にかかわらず、障害基礎年金が支給される。(2017.9-7-1)国民年金の被保険者でない20歳未満の期間に初診日のある傷病に係る障害については、20歳以後の障害の状態にかかわらず、障害基礎年金は支給されない。(2014.9-6-2)
- 不適切。障害基礎年金には「子の加算額」、障害厚生年金には「配偶者の加算額」があります。障害基礎年金では配偶者を有していても加算額はありません。障害基礎年金の受給権者が、所定の要件を満たす子を有する場合、その受給権者に支給される障害基礎年金には、子の数に応じた額が加算される。(2017.9-7-4)障害等級1級または2級に該当する者が所定の要件を満たす配偶者を有する場合、その者に支給される障害厚生年金には、加給年金額が加算される。(2014.9-6-4)障害基礎年金の受給権者が、その者によって生計を維持されている65歳未満の配偶者を有する場合、その者に支給される障害基礎年金に配偶者加給年金が加算される。(2014.1-6-4)
- 不適切。障害手当金は、障害等級3級に満たない所定の障害状態になったときに障害厚生年金から支給される一時金です。一方、障害補償給付は、業務上の災害で身体に障害が残ったときに労災保険から支給されるものです。障害補償給付の支給を受ける場合は、同じ傷病を原因として障害手当金の支給を受けることはできません。なお、障害基礎/厚生年金と障害補償給付は併給可能です。
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