FP2級過去問題 2023年9月学科試験 問6
問6
厚生年金保険における離婚時の年金分割制度に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、本問においては、「離婚等をした場合における特例」による標準報酬の改定を合意分割といい、「被扶養配偶者である期間についての特例」による標準報酬の改定を3号分割という。- 合意分割および3号分割の請求期限は、原則として、離婚等をした日の翌日から起算して2年以内である。
- 合意分割は、離婚等をした当事者間において、標準報酬の改定または決定の請求をすることおよび請求すべき按分割合についての合意が得られない限り、請求することができない。
- 3号分割の対象となるのは、2008年4月1日以降の国民年金の第3号被保険者であった期間における、当該第3号被保険者の配偶者に係る厚生年金保険の保険料納付記録(標準報酬月額・標準賞与額)である。
- 老齢厚生年金を受給している者について、3号分割により標準報酬の改定または決定が行われた場合、3号分割の請求をした日の属する月の翌月から年金額が改定される。
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正解 2
問題難易度
肢113.3%
肢251.3%
肢316.7%
肢418.7%
肢251.3%
肢316.7%
肢418.7%
分野
科目:A.ライフプランニングと資金計画細目:5.公的年金
解説
離婚時の年金分割の請求には「合意分割」と「3号分割」がありますが、どちらの制度でも、原則として離婚等をした翌日から2年以内に請求をしなければなりません。
- 合意分割
- 当事者双方が合意した按分割合で(または裁判上の決定に従い)婚姻期間中の厚生年金記録が分割される
- 3号分割
- 国民年金の第3号被保険者であった人が請求することで、2008年(平成20年)4月以後の婚姻期間中の3号被保険者期間における相手方の厚生年金記録が半分ずつ分割される
- 適切。離婚時の年金分割の請求には「合意分割」と「3号分割」がありますが、どちらの制度でも、原則として離婚等をした翌日から2年以内に請求をしなければなりません。合意分割の請求は、原則として離婚成立の日の翌日から起算して2年を経過するまでの間にしなければならない。(2019.1-7-4)
- [不適切]。裁判所への申立ては、合意が得られない場合に限られません。合意分割は、離婚等をした当事者双方の合意した割合で厚生年金記録を分割する制度です。合意のための協議が調わないとき、協議をすることができないときは、当事者の一方は裁判所に按分割合を定めるよう申し立てることができます。
- 適切。3号分割は、一定の条件を満たした夫婦が離婚した場合に、第3号被保険者であった者が、婚姻期間中における相手方(第3号被保険者の配偶者)の厚生年金保険料納付記録の2分の1を請求できる制度です。3号分割の対象となるのは、2008年(平成20年)4月1日以降において国民年金の第3号被保険者だった期間に限られます。
3号分割が施行されたのが2008年4月1日なので、それより前の期間については対象となっていません。離婚時における厚生年金保険の3号分割の対象となるのは、1986年4月以降の国民年金の第3号被保険者であった期間における、当該第3号被保険者の配偶者に係る厚生年金保険の保険料納付記録(標準報酬月額・標準賞与額)である。(2022.9-5-3)合意分割の分割対象となるのは、離婚当事者の婚姻期間中の厚生年金保険の保険料納付記録(標準報酬月額・標準賞与額)である。(2019.1-7-1) - 適切。現に老齢厚生年金を受給している人が年金分割(合意分割または3号分割)の対象となり、標準報酬の改定や決定が行われる場合、年金分割を請求した月の翌月分から年金額が改定されます。他の年金額改定事由が発生したときと同じです。
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