FP2級過去問題 2024年9月学科試験 問7

問7

確定拠出年金に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
  1. 企業型年金を実施している会社に厚生年金保険の被保険者として新たに入社した60歳以上70歳未満の者は、他社で加入した企業型年金の老齢給付金の受給者であっても、新たに入社した会社の企業型年金に加入することができる。
  2. 企業型年金の加入者掛金(マッチング拠出により加入者が拠出する掛金)は、加入者に係る事業主掛金と同額以下、かつ、事業主掛金との合算で拠出限度額までである。
  3. 企業型年金において、企業型年金のマッチング拠出を利用していない加入者は、所定の要件を満たせば、個人型年金に加入することができる。
  4. 企業型年金や確定給付企業年金等を実施していない一定規模以下の中小企業の事業主は、所定の要件を満たせば、従業員が加入している個人型年金の加入者掛金に事業主掛金を上乗せして納付することができる。

正解 1

問題難易度
肢155.5%
肢213.5%
肢311.6%
肢419.4%

解説

  1. [不適切]。企業型年金に加入することができるのは、企業が規約で定めた加入者資格を有する厚生年金被保険者であって、企業型年金の老齢給付金の受給権を有しない者です。すでに企業型年金の老齢給付金の受給権を有している者は、企業型年金に加入することはできません。
  2. 適切。企業型年金の加入者掛金の額は、当該加入者に係る事業主掛金と同額以下、かつ、事業主掛金と合算して拠出限度額までに制限されています。事業主掛金を超えることはできません。
    企業型年金加入者掛金(マッチング拠出により加入者が拠出する掛金)の上限額は、事業主掛金の額の多寡にかかわらず、拠出限度額から当該加入者に係る事業主掛金の額を差し引いた額となる。2024.5-8-1
    企業型年金加入者掛金(マッチング拠出により加入者が拠出する掛金)は、所得税の小規模企業共済等掛金控除の対象となる。2024.5-8-2
    企業型年金における加入者掛金(マッチング拠出により加入者が拠出する掛金)の上限額は、事業主掛金の額にかかわらず、拠出限度額から当該加入者に係る事業主掛金の額を差し引いた額となる。2023.1-8-2
    企業型年金における加入者掛金(マッチング拠出による加入者が拠出する掛金)の額は、事業主掛金の額にかかわらず、拠出限度額から当該加入者に係る事業主掛金を差し引いた額である。2017.5-7-2
    企業型年金加入者掛金(マッチング拠出による加入者が拠出する掛金)は、その2分の1相当額が所得税における小規模企業共済等掛金控除の対象となる。2017.1-8-3
    企業型年金加入者掛金(マッチング拠出による加入者が拠出する掛金)は、その全額が小規模企業共済等掛金控除の対象となる。2016.9-6-1
    企業型年金加入者掛金(マッチング拠出による加入者が拠出する掛金)の額は、当該加入者に係る事業主掛金と同額以下、かつ、事業主掛金と合算して拠出限度額までである。2016.5-8-2
    企業型年金加入者掛金(マッチング拠出による加入者が拠出する掛金)は、その全額が小規模企業共済等掛金控除の対象となる。2016.5-8-4
    企業型年金のいわゆるマッチング拠出において、従業員自らが拠出することができる掛金の額は、当該従業員に係る事業主掛金と同額以下、かつ、事業主掛金と合算で拠出限度額までである。2014.9-7-3
  3. 適切。企業型年金の加入者は、企業型年金のマッチング拠出を利用していなければ個人型年金に加入することができます。ただし、企業型年金と個人型年金ともに各月拠出であること、企業型年金と個人型年金の拠出合計額は月55,000円(DB実施事業では27,500円)以内であることが条件となります。
    企業が拠出する掛金に上乗せする形で、加入者本人が掛金を拠出する仕組み
  4. 適切。企業年金(企業型年金・確定給付企業年金・厚生年金基金)を実施していない中小事業主は、従業員が加入している個人型年金(iDeCo)に事業主掛金を上乗せして拠出することができます。この制度は中小事業主掛金納付制度(iDeCo+:イデコプラス)と呼ばれ、企業年金を実施していない中小企業でも従業員の自助による老後への備えを支援できるものです。なお、iDeCo+では事業主掛金が加入者掛金を上回っても問題ありません。
    使用する厚生年金被保険者の数が300人以下の事業主
    企業型年金や確定給付企業年金等を実施していない一定規模以下の中小企業の事業主は、労使の合意かつ従業員の同意を基に、従業員が加入している個人型年金の加入者掛金に事業主掛金を上乗せして納付することができる。2024.1-6-2
    企業型年金や確定給付企業年金等を実施していない一定規模以下の中小企業の事業主は、労使の合意かつ従業員の同意を基に、従業員が加入している個人型年金の加入者掛金に一定額の事業主掛金を上乗せして納付することができる。2023.1-8-4
したがって不適切な記述は[1]です。