FP2級過去問題 2023年1月学科試験 問8

問8

確定拠出年金に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
  1. 企業型年金を実施する事業主は、企業型年金規約において、加入者に一定の資格を定めることができる。
  2. 企業型年金における加入者掛金(マッチング拠出により加入者が拠出する掛金)の上限額は、事業主掛金の額にかかわらず、拠出限度額から当該加入者に係る事業主掛金の額を差し引いた額となる。
  3. 企業型年金の掛金は、月単位での拠出のほか、賞与時期のみの拠出や年1回の拠出も可能である。
  4. 企業型年金や確定給付企業年金等を実施していない一定規模以下の中小企業の事業主は、労使の合意かつ従業員の同意を基に、従業員が加入している個人型年金の加入者掛金に一定額の事業主掛金を上乗せして納付することができる。

正解 2

問題難易度
肢110.0%
肢250.8%
肢322.0%
肢417.2%

解説

  1. 適切。実施事業所に使用される厚生年金被保険者は、原則として企業型年金の加入者となりますが、事業主は企業型年金規約で定めることにより、特定の者について不当に差別的とならない範囲で一定の加入資格を定めることができます。設定可能な加入資格として認められているのは、①職種、②勤続期間、③年齢、④希望者のみという4つです。
  2. [不適切]。企業型年金の加入者掛金の額は、当該加入者に係る事業主掛金と同額以下、かつ、事業主掛金と合算して拠出限度額までに制限されています。事業主掛金を超えることはできません。
    企業型年金における加入者掛金(マッチング拠出による加入者が拠出する掛金)の額は、事業主掛金の額にかかわらず、拠出限度額から当該加入者に係る事業主掛金を差し引いた額である。2017.5-7-2
    企業型年金加入者掛金(マッチング拠出による加入者が拠出する掛金)は、その全額が小規模企業共済等掛金控除の対象となる。2016.9-6-1
    企業型年金加入者掛金(マッチング拠出による加入者が拠出する掛金)の額は、当該加入者に係る事業主掛金と同額以下、かつ、事業主掛金と合算して拠出限度額までである。2016.5-8-2
    企業型年金加入者掛金(マッチング拠出による加入者が拠出する掛金)は、その全額が小規模企業共済等掛金控除の対象となる。2016.5-8-4
    企業型年金のいわゆるマッチング拠出において、加入者自らが拠出できる掛金の額は、事業主掛金の額にかかわらず、拠出限度額から当該加入者に係る事業主掛金を差し引いた額までである。2016.1-7-3
  3. 適切。企業型年金の掛金は年1回以上、定期的に拠出することになっています。年1回以上なので規約に定めることにより、毎月拠出、賞与時期のみ拠出、年1回拠出などを自由に選択することができます。これは個人型年金(iDeCo)でも同様です。
  4. 適切。企業年金(企業型年金・確定給付企業年金・厚生年金基金)を実施していない中小事業主は、従業員が加入している個人型年金(iDeCo)に事業主掛金を上乗せして拠出することができます。この制度は中小事業主掛金納付制度(iDeCo+:イデコプラス)と呼ばれ、企業年金を実施していない中小企業でも従業員の自助による老後への備えを支援できるものです。なお、iDeCo+では事業主掛金が加入者掛金を上回っても問題ありません。
    ※使用する厚生年金被保険者の数が300人以下の事業主
    企業型年金や確定給付企業年金等を実施していない一定規模以下の中小企業の事業主は、労使の合意かつ従業員の同意を基に、従業員が加入している個人型年金の加入者掛金に事業主掛金を上乗せして納付することができる。2024.1-6-2
したがって不適切な記述は[2]です。