FP2級過去問題 2025年1月学科試験 問25

問25

株式の信用取引に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
  1. 信用取引で売建てした場合の決済方法には、反対売買により決済する方法と、売付株と同種同量の株式を証券会社に引き渡して決済する方法がある。
  2. 制度信用取引の対象となる銘柄は、証券取引所が規則等に基づき選定したものに限られる。
  3. 一般信用取引では、投資家が証券会社から貸付けを受けた金銭や株式を6ヵ月以内に返済しなければならない。
  4. 金融商品取引法等によれば、原則として、株式の信用取引を行う際の委託保証金の額は30万円以上で、かつ、株式の約定金額に100分の30を乗じた金額以上でなければならないとされている。

正解 3

問題難易度
肢112.8%
肢216.3%
肢354.2%
肢416.7%

解説

  1. 適切。信用取引の決済方法には、反対売買による決済(差金決済)と、現引き・現渡しによる決済(現物決済)があります。信用取引の売建ては、証券会社等から株式を借りてその株式を売る行為なので、差金決済をするか、証券会社等に株式を引き渡すことで決済を行います。
    現引き
    信用買いの決済をするときに、投資家が買付代金を払って現物(株式)を引き取る方法
    現渡し
    信用売り(空売り)の決済をするときに、投資家が売付代金を受け取って現物(株式)を引き渡す方法
  2. 適切。信用取引には、 顧客と証券会社の契約に基づく契約に基づく「一般信用取引」と、証券取引所の規則等に基づいて行われる「制度信用取引」があります。制度信用取引で対象となる銘柄は、証券取引所が選定したもの(制度信用銘柄)に限られます。一方、一般信用取引で対象となる銘柄は、証券会社が取り決めたものです。
    制度信用取引では、東京証券取引所の規則により、弁済期限が3カ月と定められている。2015.10-25-3
    制度信用取引では、証券取引所の規則により、弁済期限が6ヵ月と定められている。2015.1-24-2
  3. [不適切]。証券取引所の規則によって弁済期限は6ヵ月と定められているのは制度信用取引です。一般信用取引にはその規則はなく、証券会社との取り決めによります。
  4. 適切。金融商品取引法では、信用取引を行う際に預託する委託保証金の額は30万円以上、かつ、信用取引をする株式の時価(売買価格)の30%(100分の30)以上の金額が必要であると定めています。
    金融商品取引法では、株式の信用取引を行う際の委託保証金の額は20万円以上で、かつ、当該取引に係る株式の時価に100分の20を乗じた金額以上でなければならないとされている。2022.9-25-1
    金融商品取引法では、株式の信用取引を行う際の委託保証金の額は30万円以上であり、かつ、当該取引に係る株式の時価に100分の30を乗じた金額以上でなければならないとされている。2022.1-26-4
    金融商品取引法では、信用取引を行う際の委託保証金の額は20万円以上であり、かつ、約定代金に対する委託保証金の割合は20%以上でなければならないと規定されている。2020.9-25-3
したがって不適切な記述は[3]です。