相続と税金(全61問中1問目)

No.1

配偶者に対する相続税額の軽減(以下「配偶者の税額軽減」という)に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
2024年9月試験 問57
  1. 配偶者の税額軽減の適用を受けた配偶者が相続または遺贈により取得した正味の遺産額が1億6,000万円を超える場合は、その遺産額が配偶者の法定相続分相当額以下であっても、配偶者の納付すべき相続税額は0(ゼロ)とならない。
  2. 配偶者の税額軽減の適用を受け、納付すべき相続税額が0(ゼロ)となる場合、相続税の申告書を提出する必要はない。
  3. 相続の放棄をした配偶者は、配偶者の税額軽減の適用を受けることができない。
  4. 配偶者の税額軽減の適用を受けることができる配偶者は、被相続人と法律上の婚姻の届出をしている者に限られる。

正解 4

問題難易度
肢110.3%
肢24.2%
肢322.6%
肢462.9%

解説

  1. 不適切。配偶者の税額軽減の適用を受けた場合、配偶者は「法定相続分」または「1億6,000万円」のいずれか多い金額までであれば相続税はかかりません。例えば、遺産額が4億円で配偶者の法定相続分が2分の1の場合、2億円(4億円×1/2=2億円)を配偶者が相続しても、配偶者の相続税額はゼロになります。
    被相続人の配偶者が「配偶者に対する相続税額の軽減」の適用を受けた場合、配偶者が相続等により取得した財産の価額が、1億6,000万円または配偶者の法定相続分相当額のいずれか多い金額までであれば、原則として、配偶者の納付すべき相続税額はないものとされる。2016.9-56-3
    被相続人の配偶者が「配偶者に対する相続税額の軽減」の適用を受けた場合、配偶者が相続等により取得した財産の価額が、1億6,000万円または配偶者の法定相続分相当額のいずれか多い金額までであれば、原則として、配偶者の納付すべき相続税額はないものとされる。2016.1-56-2
  2. 不適切。配偶者の税額軽減の適用を受けるには、相続税の申告書の提出が必要です。本制度の適用を受けることにより、算出される相続税額がゼロ(0円)になる場合であっても、本制度の適用を受ける旨の申告書を提出しなければなりません。
    相続人が被相続人の配偶者のみである場合において、「配偶者に対する相続税額の軽減」の適用を受けることにより納付すべき相続税額が0(ゼロ)となるときは、当該配偶者は相続税の申告書を提出する必要はない。2024.5-57-2
    相続税の計算において、「配偶者に対する相続税額の軽減」の規定の適用を受けると配偶者の納付すべき相続税額が0(ゼロ)となる場合、相続税の申告書を提出する必要はない。2018.9-57-1
  3. 不適切。配偶者の税額軽減は、被相続人の配偶者が相続・遺贈により財産を取得したときに適用を受けることができます。相続開始時点で法律上の配偶者であれば、その後配偶者が相続を放棄した場合であっても適用されるので、遺贈により取得した財産や死亡保険金などのみなし相続財産があるときにも使うことができます。
    配偶者が相続を放棄した場合でも、その配偶者が遺贈により財産を取得したときには、配偶者の税額軽減の適用を受けることができる。2013.1-53-2
  4. [適切]。配偶者の税額軽減の適用を受けられるのは、被相続人と法律上の婚姻関係を有する者に限られます。内縁関係(事実婚)にある者は含まれません。
    「配偶者に対する相続税額の軽減」の適用を受けることができる配偶者は、被相続人と法律上の婚姻の届出をした者に限られず、いわゆる内縁の配偶者も含まれる。2023.1-57-4
    「配偶者に対する相続税額の軽減」の適用を受けることができる配偶者は、被相続人と法律上の婚姻の届出をした者に限られ、いわゆる内縁関係にある者は該当しない。2022.5-57-4
    「配偶者に対する相続税額の軽減」の適用を受けることができる配偶者は、被相続人と法律上の婚姻の届出をした者に限られる。2018.5-56-4
    配偶者の税額軽減の対象となる配偶者には、被相続人との婚姻の届出をしていた者のみならず、被相続人と内縁関係にあった者も含まれる。2013.1-53-1
したがって適切な記述は[4]です。