相続と税金(全61問中15問目)
No.15
相続税の課税財産に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。2021年9月試験 問54
- 被相続人がその相続開始時に有していた事業上の売掛金は、相続税の課税対象となる。
- 被相続人に支給されるべきであった退職手当金で、被相続人の死亡後3年以内に支給が確定したものは、相続税の課税対象となる。
- 相続または遺贈により財産を取得しなかった者が、相続開始前に被相続人から相続時精算課税制度の適用を受けて贈与により取得した財産は、相続税の課税対象とならない。
- 相続または遺贈により財産を取得した者が、相続開始前7年以内に被相続人から暦年課税の適用を受けて贈与により取得した財産は、原則として相続税の課税対象となる。
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正解 3
問題難易度
肢112.4%
肢214.2%
肢354.9%
肢418.5%
肢214.2%
肢354.9%
肢418.5%
分野
科目:F.相続・事業承継細目:4.相続と税金
解説
- 適切。売掛金とは商品などの販売代金を後日回収できる権利で、現金や預金などと同じく資産(財産)として扱われます。したがって、被相続人がその相続開始時に有していた個人事業上の売掛金(売上債権)は、相続税の課税対象となります。被相続人が相続開始時に有していた事業上の貸付金である債権は、相続税の課税対象となる。(2019.5-55-3)被相続人がその相続開始時に有していた事業上の売掛金は、相続税の課税対象となる。(2018.1-56-1)被相続人がその相続開始時に有していた事業上の売掛金は、相続税の課税対象となる。(2017.1-56-1)
- 適切。被相続人に支給されるべきであった退職手当金は、支給が確定した時期によって課税関係が異なります。本肢のように、被相続人の死亡後3年以内に支給が確定したものは相続税の課税対象です。一方、死亡から3年を超えてから支給が確定したものは遺族の一時所得として所得税の課税対象となります。被相続人の死亡により、当該被相続人に支給されるべきであった退職手当金で被相続人の死亡後3年以内に支給が確定したものについて、相続人がその支給を受けた場合、当該退職手当金は、相続税の課税対象となる。(2023.9-57-4)被相続人の死亡によって被相続人に支給されるべきであった退職手当金で、被相続人の死亡後3年を超えてから支給が確定したものは、相続財産とみなされて相続税の課税対象となる。(2018.1-56-4)被相続人の死亡によって、被相続人に支給されるべきであった退職手当金で、被相続人の死亡後3年以内に支給が確定したものは、相続財産とみなされて相続税の課税対象となる。(2017.1-56-4)
- [不適切]。相続で財産を取得したかどうかは関係ありません。相続時精算課税制度を選択して贈与を受けた財産のうち基礎控除額を超える部分は、相続財産に含まれて相続税の課税対象となります。もし相続で財産を取得していない場合に相続財産に含めなくてよかったら、贈与税も相続税も非課税になってしまいます。被相続人から相続時精算課税制度による贈与により取得した現金は、その者が相続や遺贈により財産を取得したかどうかにかかわらず、相続税の課税対象となる。(2022.1-57-4)
- 適切。相続財産を取得した者が、相続開始前7年以内に被相続人から暦年課税で贈与を受けていた場合、その贈与財産の価額は、原則として相続税の課税価格に加算されて課税対象となります(生前贈与加算)。被相続人から相続開始前7年以内に暦年課税による贈与により取得した上場株式は、その者が相続や遺贈により財産を取得したかどうかにかかわらず、相続税の課税対象となる。(2022.1-57-3)被相続人から相続時精算課税による贈与により取得した財産は、その者が相続または遺贈により財産を取得したかどうかにかかわらず、相続税の課税対象となる。(2020.9-55-3)相続または遺贈により財産を取得した者が、相続開始前7年以内に被相続人から暦年課税による贈与により取得した財産は、原則として相続税の課税対象となる。(2020.9-55-4)相続または遺贈により財産を取得した者が、相続開始前7年以内に被相続人から暦年課税による贈与により取得した財産は、原則として相続税の課税対象となる。(2019.5-55-1)相続または遺贈により財産を取得しなかった者が、その相続の開始前7年以内にその相続に係る被相続人から暦年課税による贈与によって取得した財産は、相続税の課税対象とならない。(2018.1-56-3)相続または遺贈により財産を取得しなかった被相続人の母が、その相続開始前7年以内に被相続人から暦年課税による贈与により取得した財産は、相続税の課税対象とならない。(2017.1-56-3)相続人が相続開始前7年以内に被相続人から財産の贈与を受け、暦年課税を選択していた場合、その者が相続または遺贈により財産を取得しなかったとしても、当該財産は相続税の課税対象となる。(2014.1-55-4)
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