FP2級過去問題 2014年5月学科試験 問31

問31

所得税における各種所得の金額に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  1. 株式の配当に係る配当所得の金額は、その配当による収入金額であり、必要経費等を控除することはできない。
  2. 給与所得の金額の計算上、その年中の特定支出の額の合計額が所定の金額を超える場合、給与等の収入金額から給与所得控除額を控除した金額から、さらにその超える部分の金額を控除することができる。
  3. 公的年金に係る雑所得の金額の計算上、公的年金の収入金額から控除する公的年金等控除額は、公的年金の加入年数およびその収入金額に応じて算出される。
  4. 勤続年数が20年を超える者が受け取る退職手当等に係る退職所得の金額の計算上、退職手当等の収入金額から控除する退職所得控除額は、70万円にその勤続年数を乗じた金額となる。

正解 2

問題難易度
肢125.6%
肢230.3%
肢333.5%
肢410.6%

解説

  1. 不適切。配当所得の金額は、収入金額から株式等を取得するための借入金の利子を経費として差し引くことができます。
  2. [適切]。給与所得の計算上、特別支出(給与所得者が支出した通勤費、転居費、研修費、資格取得費のうち一定のもの)の額がその年の給与所得控除額の2分の1を超える場合には、その超える部分の金額を給与所得の金額から控除することができます。これを「給与所得者の特定支出控除」といいます。
  3. 不適切。公的年金に係る雑所得の計算では、受給者の年齢と収入金額により公的年金等控除が算出されます。
    公的年金等に係る雑所得の金額は、その年中の公的年金等の収入金額から公的年金等控除額を控除した額である。2018.5-32-4
    公的年金等に係る雑所得の金額の計算上、収入金額からその者の年齢と収入金額に応じて計算される公的年金等控除額が控除される。2017.1-32-4
    公的年金等に係る雑所得の金額は、「(公的年金等の収入金額-公的年金等控除額)×1/2」の算式により計算される。2015.1-33-3
    公的年金等に係る雑所得の金額は、「公的年金等の収入金額-公的年金等控除額」の算式により計算される。2013.9-33-4
  4. 不適切。勤続年数が20年以上を超える場合、退職所得控除額は「800万円+70万円×(勤続年数-20年)」の式で算出された金額となります。
    勤続年数が20年を超える者が受け取る退職手当等に係る退職所得の金額の計算上、退職手当等の収入金額から控除する退職所得控除額は、70万円にその勤続年数を乗じた金額となる。2018.5-32-1
したがって適切な記述は[2]です。