FP2級過去問題 2015年5月学科試験 問1

問1

ファイナンシャル・プランナーの顧客に対する行為に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
  1. 税理士資格を有しないファイナンシャル・プランナーが、相続の相談に来た顧客に対し、相続税額の算出方法について、相続税法の該当条文を示して一般的な解説を行った。
  2. 生命保険募集人の登録を受けていないファイナンシャル・プランナーが、ライフプランの相談に来た顧客に対し、変額個人年金保険の商品性を説明した。
  3. 社会保険労務士資格を有しないファイナンシャル・プランナーが、年金の相談に来た顧客からの求めに応じ、有償で公的年金の裁定請求手続きを代行した。
  4. 司法書士資格を有しないファイナンシャル・プランナーが、ライフプランの相談に来た顧客からの求めに応じ、顧客の代理人(任意後見受任者)となることを引き受け、任意後見契約を締結した。

正解 3

問題難易度
肢11.7%
肢21.6%
肢393.0%
肢43.7%

解説

  1. 適切。税理士ではないファイナンシャル・プランナーは、個別具体的な税務相談、税務書類の作成、税務代理行為はできませんが、仮定の事例に置き換えた説明や税額計算、一般的な解説は行うことができます。
    弁護士資格を有しないファイナンシャル・プランナーが、相続の相談に来た顧客に対し、遺留分について、民法の該当条文を示して一般的な解説を行った。2015.1-1-4
    弁護士資格を有しないファイナンシャル・プランナーが、相続の相談に来た顧客に対し、遺留分について、民法の該当条文を示して一般的な解説を行った。2014.1-1-4
    弁護士資格を有しないファイナンシャル・プランナーが、顧客からの相続の相談に際し、遺言の効力について、民法上の該当条文を示し一般的な解説を行った。2013.1-1-4
  2. 適切。生命保険募集人の資格を持っていないファイナンシャル・プランナーは、保険の募集を行うことはできませんが、保険商品の特徴や活用例の説明をしたり、必要保障額の試算を行うことはできます。
    生命保険募集人の登録を受けていないファイナンシャル・プランナーが、子どもが生まれたばかりの顧客から相談を受け、生命保険の死亡保障の重要性を説明し、保険募集を行った。2017.1-1-3
    生命保険募集人の登録を受けていないファイナンシャル・プランナーが、ライフプランのアドバイスを求めている顧客に対して、生命保険商品の特徴を十分に説明し、保険募集を行った。2015.10-1-2
    生命保険募集人の登録を受けていないファイナンシャル・プランナーが、ライフプランの相談に来た顧客に対し、ライフイベントに応じた生命保険の活用例を説明した。2015.9-1-1
    生命保険募集人の登録を受けていないファイナンシャル・プランナーが、ライフプランの相談に来た顧客に対し、生命保険商品の特徴を十分に説明したうえで、保険の募集を行った。2015.1-1-3
    生命保険募集人の登録を受けていないファイナンシャル・プランナーが、ライフプランの相談に来た顧客に対し、医療保険の商品性を説明した。2014.1-1-2
    生命保険募集人の登録を受けていないファイナンシャル・プランナーが、顧客に対し、ライフプランニングにおける生命保険の必要性を助言するとともに、各社の生命保険商品の特徴を説明した。2013.1-1-2
  3. [不適切]。社会保険労務士でないファイナンシャル・プランナーは、公的年金額の受給見込額を計算したり、年金制度を説明することはできますが、行政機関に提出する申請書の作成や提出の代理は社会保険労務士の独占業務なので行うことはできません。
    社会保険労務士資格を有しないFPのCさんが、年金の相談に来た顧客からの求めに応じ、有償で公的年金の裁定請求手続きを代行した。2021.3-1-3
  4. 適切。司法書士でないファイナンシャル・プランナーは、登記または供託に関する手続きの代理をすることはできませんが、任意後見受任者となるには特別な資格は不要ですので、任意後見受任者になることはできます。
    司法書士資格を有しないFPのBさんが、ライフプランの相談に来た顧客からの求めに応じ、その顧客の代理人(任意後見受任者)となることを有償で引き受け、任意後見契約を締結した。2021.3-1-2
    高齢の顧客から将来の財産の管理について相談を受けたファイナンシャル・プランナーのCさんは、顧客からの求めに応じ、顧客の代理人(任意後見受任者)となることを引き受け、任意後見契約を締結した。2016.5-1-3
    司法書士資格を有しないファイナンシャル・プランナーが、顧客からの求めに応じ、顧客の代理人(任意後見受任者)となることを引き受け、任意後見契約を締結した。2015.10-1-4
したがって不適切な記述は[3]です。