FP2級過去問題 2025年5月学科試験 問1

問1

ファイナンシャル・プランナー(以下、「FP」という)の顧客に対する行為に関する次の記述のうち、関連法規に照らし、最も不適切なものはどれか。
  1. 社会保険労務士の登録を受けていないFPが、年金の相談に来た顧客の求めに応じ、公的年金の裁定請求手続を代行して報酬を受け取った。
  2. 生命保険募集人の登録を受けていないFPが、ライフプランの相談に来た顧客の求めに応じ、ライフイベントに応じた生命保険の一般的な活用方法を説明した。
  3. 金融商品取引業者の登録を受けていないFPが、資産運用の相談に来た顧客の求めに応じ、顧客の投資判断材料となる景気動向や企業業績に関する情報を提供した。
  4. 税理士の登録を受けていないFPが、相続の相談に来た顧客の求めに応じ、顧客の具体的な相続税額の算出のために知り合いの税理士を紹介した。

正解 1

問題難易度
肢190.7%
肢21.5%
肢35.9%
肢41.9%

解説

  1. [不適切]。社会保険労務士の独占業務は、労働社会保険諸法令に基づいて有償で行う「申請書類の作成、提出手続きの代行」「申告等の代理」「帳簿書類の作成」です。公的年金の裁定請求手続きなどに係る申請書の作成や提出代行は、社会保険労務士の独占業務なので、社労士資格を有しないFPが行うことはできません。
    社会保険労務士の登録を受けていないFPのAさんは、年金について相談に来た顧客の求めに応じ、公的年金の老齢給付を繰り上げた場合と繰り下げた場合の受給額について、それぞれの見込額を試算して説明した。2025.1-1-1
    社会保険労務士資格を有しないFPのCさんが、年金の相談に来た顧客からの求めに応じ、有償で公的年金の裁定請求手続きを代行した。2021.3-1-3
    社会保険労務士資格を有しないファイナンシャル・プランナーが、年金の相談に来た顧客からの求めに応じ、有償で公的年金の裁定請求手続きを代行した。2015.5-1-3
  2. 適切。生命保険募集人ではない者は、生命保険の募集(販売や勧誘など)を行うことはできません。しかし、保障内容や保険の活用方法について一般的な説明をしたり、必要保障額の試算を行うことは誰でもできます。
    生命保険募集人の登録を受けていないFPのAさんは、ライフプランについて相談に来た顧客に対して、生命保険の一般的な商品内容や目的別の活用方法を有償で説明した。2024.9-2-1
    生命保険募集人の登録を受けていないFPのDさんは、顧客からライフプランの相談を受け、老後資金を準備するための生命保険の一般的な活用方法を説明した。2023.9-1-4
    生命保険募集人の登録を受けていないFPのDさんは、ライフプランの相談に来た顧客に対して、生命保険の一般的な商品性や活用方法を有償で説明した。2022.9-1-4
    生命保険募集人の登録を受けていないFPのBさんは、ライフプランの相談に来た顧客に対して、生命保険の一般的な商品内容や目的別の活用方法を有償で説明した。2022.5-1-2
    生命保険募集人の登録を受けていないFPのBさんは、顧客からライフプランの相談を受け、老後資金を準備するための生命保険の一般的な活用方法を無償で説明した。2022.1-1-2
    生命保険募集人の登録を受けていないFPのCさんは、ライフプランの相談に来た顧客に対して、生命保険の商品内容を説明した。2021.9-1-3
    生命保険募集人の登録を受けていないFPのAさんは、ライフプランの相談に来た顧客に対して、生命保険商品の商品性を説明した。2019.5-1-1
    生命保険募集人の登録を受けていないファイナンシャル・プランナーが、ライフプランの相談に来た顧客に対し、ライフイベントに応じた生命保険の活用例を説明した。2015.9-1-1
    生命保険募集人の登録を受けていないファイナンシャル・プランナーが、ライフプランの相談に来た顧客に対し、ライフイベントに応じた生命保険の活用方法を説明した。2014.5-1-2
  3. 適切。金融商品取引業の登録を受けていない者は、顧客に対して具体的な投資判断の助言を行ったり、投資の代行を引き受けることはできません。しかし、一般的な資料の提供や商品や制度の説明は誰でもできます。
    金融商品取引業の登録を受けていないファイナンシャル・プランナーが、資産運用の相談に来た顧客に対し、顧客の投資判断の前提となる景気動向や企業業績に関する情報を提供した。2015.1-1-2
  4. 適切。税理士の独占業務は「税務代理」「税務書類の作成」、個別具体的な「税務相談」の3つです。この3つの業務を行うことは有償・無償を問わず禁じられています。これらの業務について顧客から求められた場合には、法令遵守の観点から、速やかに税理士を紹介することが望ましい対応といえます。
したがって不適切な記述は[1]です。