FP2級過去問題 2016年5月学科試験 問5(改題)

問5

厚生年金保険に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
  1. 厚生年金保険法に定める業種であって、常時5人以上の従業員を使用している個人事業所は、厚生年金保険の強制適用事業所となる。
  2. 厚生年金保険の適用事業所に常時使用される70歳以上の者で、老齢基礎年金の受給権を有する者は、厚生年金保険の被保険者とならない。
  3. 厚生年金保険の標準報酬月額は、被保険者の報酬月額に基づき区分され、65万円を上限とされている。
  4. 育児休業等をしている被保険者に係る厚生年金保険の保険料は、所定の手続きにより、被保険者負担分が免除されるが、事業主負担分は免除されない。

正解 4

問題難易度
肢15.8%
肢28.5%
肢38.6%
肢477.1%

解説

  1. 適切。個人事務所であっても常時5人以上の従業員を使用していれば、特定の業種を除き、厚生年金保険への加入が義務付けられています。
    厚生年金保険法に定める業種であって、常時5人以上の従業員を使用している個人事業所は、厚生年金保険の強制適用事業所となる。2021.3-5-1
    厚生年金保険法に定める業種であって、常時5人以上の従業員を使用している個人事業所は、厚生年金保険の強制適用事業所となる。2019.5-5-4
    厚生年金保険法に定める業種の事業所であっても、常時5人未満の従業員を使用している個人の事業所は、厚生年金保険の強制適用事業所にはならない。2015.10-6-2
    厚生年金保険法に定める業種であって、常時5人以上の従業員を使用している個人事業所は、厚生年金保険の強制適用事業所となる。2013.9-4-1
  2. 適切。厚生年金保険の被保険者は、適用事業所に常時使用される70歳未満です。原則として、70歳以上の者は厚生年金の被保険者となりません。
    厚生年金保険の適用事業所に使用される70歳以上の老齢厚生年金の受給権者は、厚生年金保険の被保険者ではないが、その者に係る老齢厚生年金は、一定要件のもとに年金額の一部または全部が支給停止となる。2015.10-6-4
  3. 適切。厚生年金の保険料は、被保険者の標準報酬月額に基づき区分され、標準報酬月額の上限は65万円(第32級)になります。
    上限が65万円になったのは2020年9月分からです。それ以前は62万円が上限でした。
    厚生年金保険の標準報酬月額は、被保険者の報酬月額に基づき区分され、65万円が上限とされている。2021.3-5-2
  4. [不適切]。産前産後休業期間中や育児休業期間中の厚生年金保険料は、事業主が手続きをすれば、事業主負担分・被保険者負担分のどちらも免除されます。
    産前産後休業を取得している厚生年金保険の被保険者の厚生年金保険料は、所定の手続きにより、被保険者負担分と事業主負担分がいずれも免除される。2023.1-6-3
    産前産後休業を取得している厚生年金保険の被保険者の厚生年金保険料は、所定の手続きにより、被保険者負担分と事業主負担分がいずれも免除される。2022.5-5-4
    産前産後休業を取得している厚生年金保険の被保険者の厚生年金保険料は、所定の手続きにより、被保険者負担分と事業主負担分がいずれも免除される。2020.1-5-1
    産前産後休業期間中の厚生年金保険の被保険者に係る厚生年金保険料は、所定の手続きにより被保険者負担分は免除されるが、事業主負担分は免除されない。2019.5-5-3
    育児休業等をしている被保険者に係る厚生年金保険の保険料は、所定の手続きによって被保険者負担分は免除されるが、事業主負担分は免除されない。2017.5-4-3
    産前産後休業期間中の厚生年金保険の被保険者に係る保険料は、所定の手続きにより、事業主負担分、被保険者負担分のいずれも免除される。2016.9-3-4
    育児休業等をしている被保険者に係る厚生年金保険料は、所定の手続きにより被保険者負担分の納付が免除されるが、事業主負担分については免除されない。2015.10-6-1
    産前産後休業期間中の被保険者に係る厚生年金保険の保険料は、事業主の申出により被保険者負担分の納付が免除されるが、事業主負担分については免除されない。2015.1-6-1
したがって不適切な記述は[4]です。