FP2級過去問題 2016年9月学科試験 問2

問2

労働者災害補償保険(以下「労災保険」という)に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  1. 労災保険の適用を受ける労働者には、雇用形態がアルバイトやパートタイマーである者は含まれない。
  2. 労災保険の適用事業所の事業主は、その営む事業の規模にかかわらず、労災保険の特別加入者の対象となる。
  3. 日本国内の継続事業を行う事業主から派遣されて海外で就業する者は、労災保険の特別加入者の対象となる。
  4. 労災保険の保険料を計算する際に用いる保険料率は、事業の種類にかかわらず、一定である。

正解 3

問題難易度
肢12.9%
肢219.0%
肢370.0%
肢48.1%

解説

  1. 不適切。労災保険の適用を受ける労働者は、事業主に使用され、賃金の支払いを受ける人全員です。したがって、パートタイマー、アルバイト、在宅労働者、日雇労働者といった雇用形態の違いや労働時間の長短にかかわらず、事業主と雇用関係にあるすべての者に適用されます。
    労働者災害補償保険の適用を受ける労働者には、雇用形態がアルバイトやパートタイマーである者も含まれる。2023.5-3-1
    労災保険の適用を受ける労働者には、雇用形態がアルバイトやパートタイマーである者は含まれるが、日雇労働者や外国人労働者は含まれない。2023.1-4-2
    労災保険の適用を受ける労働者には、雇用形態がアルバイトやパートタイマーである者は含まれない。2021.9-3-1
  2. 不適切。労災保険に特別加入できる事業主は、業種ごとに使用する労働者数が一定以下の中小事業主に限られます。
    1/442.png/image-size:411×137
    労災保険の適用事業所の事業主は、その営む事業において使用する労働者数の多寡にかかわらず、労災保険の特別加入の対象となる。2021.9-3-3
    事業主は、常時使用する労働者数にかかわらず、労災保険に特別加入することができる。2013.5-4-1
  3. [適切]。労災保険の特別加入制度は、労災保険の加入対象外とされている人のうち、労働者に準じて保護することが望ましいとみなされる人に、一定の要件の下に労災保険へ任意加入することを特別に認める制度です。中小事業主等・一人親方等・特定作業従事者・海外派遣者の4種がその対象です。
    日本国内の継続事業を行う事業主から派遣される海外就業者は、特別加入により適用が受けられます。
  4. 不適切。労災保険率は、労働災害リスクを考慮し、事業の種類(54業種)ごとに定められています。危険度の高い業種ほど保険料の負担が大きく設定されています。
    労災保険の保険料を計算する際に用いる労災保険率は、常時使用する従業員数に応じて定められている。2022.5-3-1
    労災保険の保険料を計算する際に用いる保険料率は、適用事業所の事業の種類による差異はない。2021.9-3-4
したがって適切な記述は[3]です。