FP2級過去問題 2021年9月学科試験 問3

問3

労働者災害補償保険(以下「労災保険」という)に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  1. 労災保険の適用を受ける労働者には、雇用形態がアルバイトやパートタイマーである者は含まれない。
  2. 業務上の負傷または疾病が治癒したときに身体に一定の障害が残り、その障害の程度が労働者災害補償保険法に規定する障害等級に該当する場合、障害補償給付が受けられる。
  3. 労災保険の適用事業所の事業主は、その営む事業において使用する労働者数の多寡にかかわらず、労災保険の特別加入の対象となる。
  4. 労災保険の保険料を計算する際に用いる保険料率は、適用事業所の事業の種類による差異はない。

正解 2

問題難易度
肢12.1%
肢270.8%
肢318.4%
肢48.7%

解説

  1. 不適切。労災保険の適用を受ける労働者は、事業主に使用され、賃金の支払いを受ける人全員です。したがって、パートタイマー、アルバイト、在宅労働者、日雇労働者といった雇用形態の違いや労働時間の長短にかかわらず、事業主と雇用関係にあるすべての者に適用されます。
    労働者災害補償保険の適用を受ける労働者には、雇用形態がアルバイトやパートタイマーである者も含まれる。2023.5-3-1
    労災保険の適用を受ける労働者には、雇用形態がアルバイトやパートタイマーである者は含まれるが、日雇労働者や外国人労働者は含まれない。2023.1-4-2
    労災保険の適用を受ける労働者には、雇用形態がアルバイトやパートタイマーである者は含まれない。2016.9-2-1
  2. [適切]。障害補償給付は、負傷や疾病が治癒したときに身体に一定の障害が残り、その障害の程度が労災保険の障害等級に該当する場合に支給されます。障害等級は第1級から第14級まであり、第1級から第7級までは年金、第8級から第14級までは一時金です。
    労働者が業務上の負傷または疾病が治癒したときに一定の障害が残り、その障害の程度が所定の障害等級に該当するときは、障害補償年金または障害補償一時金のいずれかを選択して受給することができる。2022.5-3-4
    労働者の業務上の負傷または疾病が治癒し、身体等に一定の障害が残った場合に、その障害の程度が労働者災害補償保険法で規定する障害等級に該当するときは、障害補償給付が支給される。2016.1-3-3
    労働者の業務上の負傷または疾病が治癒したとき、身体に一定の障害が残り、その障害の程度が労災保険の障害等級に該当する場合、障害補償給付が支給される。2014.1-4-3
  3. 不適切。労災保険の特別加入制度は、労災保険の加入対象外とされている人のうち、労働者に準じて保護することが望ましいと見なされる人に、一定の要件の下に労災保険へ加入することを特別に認める制度です。中小事業主等・一人親方等・特定作業従事者・海外派遣者の4種がその対象です。
    中小事業主は、以下のように常時使用労働者が事業の種類に応じて一定以下の場合のみ特別加入の対象者となります。
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    労災保険の適用事業所の事業主は、その営む事業の規模にかかわらず、労災保険の特別加入者の対象となる。2016.9-2-2
    事業主は、常時使用する労働者数にかかわらず、労災保険に特別加入することができる。2013.5-4-1
  4. 不適切。労災保険率は、厚生労働大臣が業種ごとに定めており、事業の種類(54業種)により異なります。それぞれの業種の過去3年間の災害発生状況などを考慮し、原則3年ごとに改定しています。
    労災保険の保険料を計算する際に用いる労災保険率は、常時使用する従業員数に応じて定められている。2022.5-3-1
    労災保険の保険料を計算する際に用いる保険料率は、事業の種類にかかわらず、一定である。2016.9-2-4
したがって適切な記述は[2]です。