FP2級過去問題 2017年5月学科試験 問54

問54

民法における相続人等に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
  1. 相続開始時に胎児であった者は、すでに生まれたものとみなされ、相続権が認められる。
  2. 相続の欠格によって相続権を失った場合、その者に直系卑属がいれば、その直系卑属が代襲相続人となる。
  3. 被相続人に子がいる場合、その子は第1順位の相続人となる。
  4. 被相続人と婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係にある者は、被相続人の配偶者とみなされ、相続権が認められる。

正解 4

問題難易度
肢15.0%
肢212.1%
肢316.1%
肢466.8%

解説

  1. 適切。相続開始時に胎児であった者は、すでに生まれたものとみなされ相続人になることができます。ただし、死産になった場合は、いなかったものとして取り扱われるため相続人になることはできません。
    相続開始時における胎児は、すでに生まれたものとみなされるが、その後、死産となった場合には、相続人とならない。2020.1-54-4
    相続開始時における胎児は、すでに生まれたものとみなされ、死産の場合を除き、相続権が認められる。2019.9-52-1
  2. 適切。相続する権利が下の世代に移ることを代襲相続といいますが、代襲相続が発生するのは本来相続人となるべき人が、死亡・欠格・廃除により相続できない場合です。なお、相続の放棄を行った場合には代襲相続は発生しません。
    相続人の欠格事由に該当した者の直系卑属には、代襲相続は認められない。2013.9-53-4
  3. 適切。配偶者は常に相続人となり、その後、第1順位:子、第2順位:直系尊属、第3順位:兄弟姉妹となります。
    被相続人の配偶者は、常に相続人となり、被相続人に子がいる場合、子が第1順位の相続人となる。2022.1-55-2
    被相続人に子がいる場合、その子は第1順位の相続人となる。2020.1-54-1
  4. [不適切]。税法における配偶者とは、法律上の婚姻関係にある相手のことを言います。労働社会保険各法のように、事実婚関係では配偶者とはみなされません。
    被相続人と婚姻の届出をしていないが、被相続人といわゆる内縁関係にあった者は、被相続人の配偶者とみなされて相続人となる。2024.1-54-4
したがって不適切な記述は[4]です。