FP2級過去問題 2024年1月学科試験 問54
問54
民法上の相続人等に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、記載のない事項については考慮しないものとする。- 離婚した元配偶者との間に出生した被相続人の子が当該元配偶者の親権に服している場合、その子は相続人とならない。
- 特別養子縁組による養子は、実方の父母および養親の相続人となる。
- 被相続人の子が廃除により相続権を失った場合、その者に被相続人の直系卑属である子がいるときは、その子(被相続人の孫)は代襲相続人となる。
- 被相続人と婚姻の届出をしていないが、被相続人といわゆる内縁関係にあった者は、被相続人の配偶者とみなされて相続人となる。
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正解 3
問題難易度
肢18.0%
肢211.9%
肢369.8%
肢410.3%
肢211.9%
肢369.8%
肢410.3%
分野
科目:F.相続・事業承継細目:3.相続と法律
解説
- 不適切。子が相続人となるのに、被相続人の親権の有無は問われません。離婚をした親でも、親権者ではない親でも、親であることに変わりはないため子に相続権が生じます。
- 不適切。特別養子縁組が成立した場合、養子と実方の父母との親族関係は終了します。このため、実方の父母の相続人にはならず、養親の方だけ相続人となります。一方、特別でない養子縁組(普通養子縁組)の場合には養子と実方の父母との親族関係は終了しないため、実方と養親の両方の相続人になります。特別養子縁組が成立した場合、原則として養子と実方の父母との親族関係は終了する。(2019.9-52-2)
- [適切]。代襲相続は、相続人となるべきだった人が「死亡・欠格・廃除」により相続できないときに発生します(相続放棄は代襲相続なし)。廃除の場合にも代襲相続が生じるので、本肢は適切です。
※「廃除」とは、被相続人に対しての虐待や重大な侮辱があった場合に、被相続人が家庭裁判所に請求したことにより、その推定相続人の相続権が失われている状態です。被相続人の子が相続の放棄をした場合、その相続の放棄をした者の子(被相続人の孫)は、代襲相続人とならない。(2024.5-55-4)被相続人の子が相続開始以前に廃除により相続権を失った場合、その者に子がいるときは、その子(被相続人の孫)は代襲相続人となる。(2022.1-55-3)相続人となるべき被相続人の子が相続の放棄をした場合、その放棄した子の子が代襲して相続人となる。(2020.9-53-4)被相続人の子が相続開始以前に廃除により相続権を失っているときは、その相続権を失った者に子がいても、その子(被相続人の孫)は代襲相続人とならない。(2020.1-54-2)相続人が相続の放棄をした場合、放棄をした者の子が、放棄をした者に代わって相続人となる。(2018.9-55-4)被相続人の子Cさんが相続の放棄をした場合、Cさんの子Dさんが代襲して相続人となる。(2018.1-54-4)被相続人の子Aさんが相続の放棄をした場合、Aさんの子Bさんが代襲して相続人となる。(2016.9-54-3)相続人が相続の放棄をした場合、放棄をした者の子が、放棄をした者に代わって相続人となる。(2014.9-54-4) - 不適切。税法における配偶者とは、法律上の婚姻関係にある相手のことを言います。労働社会保険各法のように、事実婚関係では配偶者とはみなされません。そのため被相続人と内縁関係にあった者であっても相続人にはなれません。被相続人と婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係にある者は、被相続人の配偶者とみなされ、相続権が認められる。(2017.5-54-4)
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