FP2級過去問題 2022年1月学科試験 問22

問22

株式で運用する投資信託の一般的な運用手法等に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  1. 割高な銘柄を買い持ち(ロング)にする一方、割安な銘柄を売り持ち(ショート)にすることで、市場全体の動きに左右されない収益を求める投資手法を、ロング・ショート戦略という。
  2. マクロ的な環境要因等を基に国別組入比率や業種別組入比率などを決定し、その比率に応じて、個別銘柄を組み入れてポートフォリオを構築する手法を、トップダウン・アプローチという。
  3. 企業の将来の売上高や利益の成長性が市場平均よりも高いと見込まれる銘柄を組み入れて運用するグロース運用は、PERやPBRが低い銘柄中心のポートフォリオとなる傾向がある。
  4. ベンチマークの動きにできる限り連動することで、同等の運用収益率を得ることを目指すパッシブ運用は、アクティブ運用に比べて運用コストが高くなる傾向がある。

正解 2

問題難易度
肢113.1%
肢261.4%
肢314.7%
肢410.8%

解説

  1. 不適切。ロング・ショート戦略は、割安な銘柄をロング(買い持ち)すると同時に、割高な銘柄をショート(売り持ち)する投資手法です。2つのポジションをバランスよく組み合わせることで市場全体の動きに左右されずに収益を得ることを狙います。
    ロング(ロング・ポジション)は株式などの金融資産を買い建てている状態、ショート(ショート・ポジション)は、株式などの金融資産を売り建てている状態です。
  2. [適切]。トップダウン・アプローチは、はじめに経済・社会・政治などを取り巻くマクロ的な環境の分析から国別組入比率や業種別組入比率などを決め、その範囲内で組み入れ銘柄を選んでいく投資方法です。
    マクロ的な環境要因等を基に国別組入比率や業種別組入比率などを決定し、その比率に応じて、個別銘柄を組み入れてポートフォリオを構築する手法を、ボトムアップ・アプローチという。2024.5-23-1
    マクロ的な環境要因等を基に国別組入比率や業種別組入比率などを決定し、その比率に応じて、個別銘柄を組み入れてポートフォリオを構築する手法を、トップダウン・アプローチという。2021.9-23-1
    マクロ的な環境要因等を基に国別組入比率や業種別組入比率などを決定し、その比率に応じて、個別銘柄を組み入れてポートフォリオを構築する手法は、トップダウン・アプローチと呼ばれる。2021.1-23-4
    マクロ的な環境要因等を基に国別組入比率や業種別組入比率などを決定し、その比率に応じて、個別銘柄を組み入れてポートフォリオを構築する手法をトップダウン・アプローチという。2020.1-22-1
    経済環境などのマクロ的な分析によって国別組入比率や業種別組入比率などを決め、その比率の範囲内で個別銘柄を決めていく手法は、トップダウン・アプローチと呼ばれる。2018.1-23-4
  3. 不適切。グロース運用は、売上や利益の成長性が高いと判断される銘柄を組入れ対象とするため、PERやPBRが市場平均よりも高い銘柄を中心としたポートフォリオとなる傾向があります。PERやPBRが低い銘柄中心のポートフォリオはバリュー運用に見られる傾向です。
    企業の将来の売上高や利益の成長性が市場平均よりも高いと見込まれる銘柄を組み入れて運用するグロース運用は、PERやPBRが低い銘柄中心のポートフォリオとなる傾向がある。2024.5-23-3
    企業の将来の売上高や利益の成長性が市場平均よりも高い銘柄を組み入れて運用するグロース運用は、配当利回りの高い銘柄中心のポートフォリオとなる傾向がある。2020.1-22-4
  4. 不適切。パッシブ運用とアクティブ運用を比べたとき、運用コストが高い傾向にあるのはアクティブ運用です。アクティブ運用は、ベンチマークを上回る運用収益率を得ることを目指すので、投資対象の調査や分析、積極的な売買などのコストが余分に掛かります。
    ベンチマークの動きに連動して同等の運用収益率を得ることを目指すパッシブ運用は、アクティブ運用に比べて運用コストが低い傾向がある。2023.5-22-4
    ベンチマークの動きにできる限り連動することで、同等の運用収益率を得ることを目指すパッシブ運用は、アクティブ運用に比べて運用コストを低めに抑えられる傾向がある。2020.1-22-3
    あらかじめ定められたベンチマークの動きに連動して、同等の運用収益率を得ることを目指す運用スタイルは、パッシブ運用とされる。2014.9-23-3
したがって適切な記述は[2]です。