FP2級過去問題 2022年5月学科試験 問50

問50

不動産の投資判断の手法等に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  1. DCF法は、連続する複数の期間に発生する総収入および復帰価格を、その発生時期に応じて現在価値に割り引き、それぞれを合計して対象不動産の収益価格を求める手法である。
  2. NPV法(正味現在価値法)による投資判断においては、対象不動産から得られる収益の現在価値の合計額が投資額の現在価値の合計額を上回っている場合、その投資は投資適格であると判定する。
  3. 借入金併用型の不動産投資において、レバレッジ効果が働いて自己資金に対する収益率の向上が期待できるのは、借入金の金利が総投下資本に対する収益率を上回っている場合である。
  4. NOI利回り(純利回り)は、対象不動産から得られる年間の総収入を総投資額で除して算出される利回りであり、不動産の収益性を測る指標である。

正解 2

問題難易度
肢114.1%
肢240.8%
肢318.0%
肢427.1%

解説

  1. 不適切。DCF法は、各年の純収益(総収入-必要経費)と、将来の転売価格である復帰価格を、発生時期に応じて現在価値に割り引いて、その現在価値を合計して対象不動産の収益価格を求める手法です。本肢では、純収益ではなく総収入としているため不適切です。
  2. [適切]。NPV法(正味現在価値法)は、将来発生する収益を現在価値に割り引いたものの合計額と投資額の現在価値を比べて投資判断を行います。将来発生する収益の現在価値合計が投資額を上回っている場合に、その投資は投資適格(有利)であると判定できます。
  3. 不適切。対象不動産の収益率が借入金の金利を上回っている(収益率>借入金の金利)の状況下では、借入金を活用することによりレバレッジ効果が働き、投下した自己資金に対する収益率の向上が期待できます。本肢は、借入金の金利>収益率と逆の説明しているため不適切です。
  4. 不適切。NOI利回り(純利回り)は、年間収入から諸経費を引いた純収益を総投資額で除して算出される利回りであり、不動産投資の収益性を評価する尺度になります。
     NOI利回り(%)=年間収入額-年間費用投資額×100
    本肢は、単純利回りの説明であるため不適切です。
したがって適切な記述は[2]です。