FP2級過去問題 2024年5月学科試験 問18

問18

損害保険の税金に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、いずれも契約者(=保険料負担者)、被保険者および保険金受取人は個人であるものとする。
  1. 自動車同士の衝突事故により車体に損害を被り、事故の相手方が加入する自動車保険から受け取った対物賠償保険の保険金は、一時所得として所得税の課税対象となる。
  2. 自転車同士の衝突事故によりケガをして、事故の相手方が加入する個人賠償責任保険から受け取った保険金は、雑所得として所得税の課税対象となる。
  3. スポーツ中にケガをして入院したことにより契約者が受け取った傷害保険の入院保険金は、非課税となる。
  4. 自宅が火災で焼失したことにより契約者が受け取った火災保険の保険金は、雑所得として所得税の課税対象となる。

正解 3

問題難易度
肢13.2%
肢25.0%
肢388.0%
肢43.8%

解説

  1. 不適切。所得税法では保険金や損害賠償金等のうち、次に掲げるものを非課税としています。
    1. 心身に加えられた損害に基因して取得するもの
    2. 突発的な事故により資産に加えられた損害に基因して取得するもの
    3. 身体の傷害に基因して支払を受けるもの
    自動車事故の相手方が加入する自動車保険から受け取った対物賠償保険の保険金は、「突発的な事故により資産に加えられた損害に基因して取得するもの」であるため非課税となります。
  2. 不適切。所得税法では保険金や損害賠償金のうち、「心身に加えられた損害に基因して取得するもの」を非課税としています。自動車事故の相手方が加入する個人賠償責任保険から受け取った保険金は、上記に該当するため非課税です。
  3. [適切]。入院・手術・通院・介護等の身体の傷害に基因して支払われる保険金や給付金を、被保険者や配偶者または生計を一にする親族が受け取った場合は非課税になります。したがって、契約者が傷害保険から受け取る入院保険金は非課税となります。
    業務中のケガで入院したことにより契約者が受け取る傷害保険の入院保険金は、非課税となる。2023.9-18-1
    契約者がケガで入院したために受け取る普通傷害保険の入院保険金は、雑所得として課税対象となる。2021.9-18-3
  4. 不適切。損害保険の保険金は、災害や事故による損失を回復するためのものであり、所得や資産を実質的に増加させるものではないため、担税力の面より非課税所得とされています。したがって、火災保険から受け取る保険金は課税対象となりません。
    自宅が火災で焼失したことにより契約者が受け取る火災保険の保険金は、非課税となる。2023.9-18-4
    自宅建物が水災で損害を被ったことにより契約者が火災保険から受け取った保険金は、一時所得として課税対象となる。2020.9-18-2
    契約者の自宅が火災で焼失したことにより契約者が受け取る火災保険の保険金は、非課税となる。2019.5-17-2
    自宅が火災で焼失したことにより契約者が受け取る火災保険の保険金は、非課税となる。2019.1-18-2
    契約者が年金として受け取る年金払積立傷害保険の給付金は、雑所得として所得税の課税対象となる。2015.5-18-3
    自宅が火災により焼失し、火災保険から受け取った保険金は、一時所得として所得税(および復興特別所得税)・住民税の課税対象となる。2013.9-18-1
したがって適切な記述は[3]です。