FP2級過去問題 2023年9月学科試験 問18

問18

個人を契約者(=保険料負担者)および被保険者とする損害保険の税金に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
  1. 業務中のケガで入院したことにより契約者が受け取る傷害保険の入院保険金は、非課税となる。
  2. 契約者が不慮の事故で死亡したことにより契約者の配偶者が受け取る傷害保険の死亡保険金は、相続税の課税対象となる。
  3. 被保険自動車を運転中に自損事故を起こしたことにより契約者が受け取る自動車保険の車両保険金は、当該車両の修理をしない場合、所得税の課税対象となる。
  4. 自宅が火災で焼失したことにより契約者が受け取る火災保険の保険金は、非課税となる。

正解 3

問題難易度
肢12.1%
肢220.1%
肢375.0%
肢42.8%

解説

  1. 適切。入院・手術・通院・介護等の身体の傷害に基因して支払われる保険金や給付金を、被保険者や配偶者または生計を一にする親族が受け取った場合は非課税になります。したがって、契約者が傷害保険から受け取る入院保険金は非課税となります。
    2/337.png/image-size:495×224
    スポーツ中にケガをして入院したことにより契約者が受け取った傷害保険の入院保険金は、非課税となる。2024.5-18-3
    契約者がケガで入院したために受け取る普通傷害保険の入院保険金は、雑所得として課税対象となる。2021.9-18-3
  2. 適切。自動車保険の保険金のうち、搭乗者傷害保険や人身傷害賠償保険(被保険者の過失部分に限る)などの自分が加入する保険から支払われた死亡保険金は、生命保険の場合と同様に、相続税・所得税・贈与税のいずれかの課税対象となります。本肢では、契約者の遺族が受け取っているので、死亡保険金は相続税の課税対象となります。
    2/330.png/image-size:528×154
    契約者が被保険自動車の運転中の交通事故により死亡し、契約者の配偶者が自動車保険の搭乗者傷害保険から受け取る死亡保険金は、相続税の課税対象となる。2023.5-18-3
    契約者である被保険者が不慮の事故で死亡し、その配偶者が受け取った傷害保険の死亡保険金は、相続税の課税対象となる。2022.1-18-1
    契約者の配偶者が不慮の事故で死亡したことにより、契約者が受け取った家族傷害保険の死亡保険金は、一時所得として課税の対象となる。2021.1-18-4
    契約者を被保険者とする普通傷害保険において、被保険者が業務中の事故で死亡して配偶者が受け取る死亡保険金は、相続税の課税対象となる。2020.9-18-4
    配偶者が不慮の事故で死亡したことにより契約者が家族傷害保険から受け取る死亡保険金は、相続税の課税対象となる。2020.1-17-2
    契約者が不慮の事故で死亡したことによりその配偶者が受け取る普通傷害保険の死亡保険金は、相続税の課税対象となる。2019.5-17-1
    配偶者が不慮の事故で死亡したことにより契約者が受け取る家族傷害保険の死亡保険金は、相続税の課税対象となる。2019.1-18-1
    契約者本人を被保険者とする普通傷害保険において、事故による傷害で被保険者が死亡し当該被保険者の配偶者が受け取った死亡保険金は、相続税の課税対象となる。2018.9-18-3
    契約者の配偶者が不慮の事故で死亡したことにより、契約者が受け取る家族傷害保険の死亡保険金は、相続税の課税対象となる。2015.5-18-4
  3. [不適切]。個人が資産の損害に基因して損害保険から受け取る保険金は、非課税所得となります。車両保険の保険金を修理ではなく買換え費用に充てた場合や、屋根や門の損害について火災保険金を受け取ったにもかかわらず修理をしなかった場合のように、その損害を受けた資産の回復に使わなかったとしても課税されることはありません。
    自損事故で被保険自動車である自家用車を損壊して受け取った自動車保険の車両保険金は、当該車両の修理をしなくとも、非課税となる。2022.1-18-2
    自動車事故で被保険自動車が損壊したために受け取る自動車保険の車両保険の保険金は、当該自動車を修理しなかった場合、雑所得として課税対象となる。2021.9-18-4
    被保険自動車を運転中に自損事故を起こした契約者が自動車保険の車両保険から受け取った保険金は、その自動車の修理をしない場合、一時所得として課税対象となる。2020.9-18-3
  4. 適切。損害保険の保険金は、災害や事故による損失を回復するためのものであり、所得や資産を実質的に増加させるものではないため、担税力の面より非課税所得とされています。したがって、火災保険から受け取る保険金は課税対象となりません。
    自宅が火災で焼失したことにより契約者が受け取った火災保険の保険金は、雑所得として所得税の課税対象となる。2024.5-18-4
    自宅建物が水災で損害を被ったことにより契約者が火災保険から受け取った保険金は、一時所得として課税対象となる。2020.9-18-2
    契約者の自宅が火災で焼失したことにより契約者が受け取る火災保険の保険金は、非課税となる。2019.5-17-2
    自宅が火災で焼失したことにより契約者が受け取る火災保険の保険金は、非課税となる。2019.1-18-2
    契約者が年金として受け取る年金払積立傷害保険の給付金は、雑所得として所得税の課税対象となる。2015.5-18-3
    自宅が火災により焼失し、火災保険から受け取った保険金は、一時所得として所得税(および復興特別所得税)・住民税の課税対象となる。2013.9-18-1
したがって不適切な記述は[3]です。