FP2級過去問題 2025年1月学科試験 問54
問54
民法上の相続分に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、記載のない事項については考慮しないものとする。- 相続人が複数いる場合、各共同相続人は、被相続人の遺言により相続分や遺産分割方法の指定がされていなければ、法定相続分どおりに相続財産を分割しなければならない。
- 共同相続人の1人が遺産の分割前にその相続分を共同相続人以外の第三者に譲り渡した場合、他の共同相続人は、当該第三者に対して一定期間内にその価額および費用を支払うことで、その相続分を譲り受けることができる。
- 被相続人の兄弟姉妹が相続人である場合において、当該兄弟姉妹のうち被相続人の相続開始以前に死亡した者がいるときは、その死亡した者の子が代襲して相続人となる。
- 養子の法定相続分は、実子の法定相続分と同じである。
広告
正解 1
問題難易度
肢162.0%
肢219.1%
肢311.0%
肢47.9%
肢219.1%
肢311.0%
肢47.9%
分野
科目:F.相続・事業承継細目:3.相続と法律
解説
- [不適切]。法定相続分は、各相続人の相続財産の取り分として法律上定められた割合です。あくまで目安となる基準に過ぎないので、必ずしも法定相続分に従って遺産の分割をする必要はありません。遺産分割では、遺言による「指定分割」が最も優先され、遺言がなければ共同相続人の話し合いによる「協議分割」を行うことになります。遺産分割協議にて相続人全員で合意すれば、法定相続分に縛られない分割をすることもできます。
- 適切。相続人となった者は、遺産分割前に自己の相続分を他の相続人または第三者に譲り渡すことができます。相続分が相続人以外の者に譲渡された場合、遺産分割や遺産管理に関してトラブルの発生が懸念されるため、共同相続人は譲渡から1カ月以内に意思表示をし、相当の対価を支払うことでその第三者が譲り受けた相続分を取り戻すことができます。共同相続人の1人が遺産の分割前にその相続分を共同相続人以外の第三者に譲り渡した場合、他の共同相続人は、当該第三者に対して一定期間内にその価額および費用を支払うことで、その相続分を譲り受けることができる。(2023.9-55-2)
- 適切。法定相続人となるはずだった兄弟姉妹が既に死亡している場合、その兄弟姉妹の子が代襲相続します。ただし、被相続人の子が代襲相続される場合と異なり、相続人が兄弟姉妹になる場合の代襲相続は一代限り、すなわち甥・姪までです。相続人となるべき被相続人の弟が、被相続人の相続開始以前に死亡していた場合、その弟の子が代襲して相続人となる。(2020.9-53-3)被相続人の弟Aさんが推定相続人である場合、Aさんが被相続人の相続開始以前に死亡していたときには、Aさんの子Bさんが代襲して相続人となる。(2019.1-55-4)被相続人の弟Aさんが被相続人の推定相続人であった場合、Aさんが被相続人の相続開始以前に死亡したときには、Aさんの子Bさんが代襲して相続人となる。(2018.1-54-3)被相続人の弟Cさんが被相続人の推定相続人であった場合、Cさんが被相続人の相続開始以前に死亡したときには、Cさんの子Dさんが代襲して相続人となる。(2016.9-54-4)
- 適切。養子は、養子縁組の日から養親の法律上の子となります。法定相続分についても実子と養子は同じです。養子の法定相続分は、実子の法定相続分の2分の1である。(2023.9-55-4)養子の法定相続分は、実子の法定相続分の2分の1である。(2023.1-54-1)嫡出でない子の法定相続分は、嫡出である子の法定相続分と同じである。(2023.1-54-4)養子の法定相続分は、実子の法定相続分の2分の1である。(2021.5-53-4)養子(特別養子ではない)の相続分は、実子の相続分の2分の1である。(2019.1-55-1)養子(特別養子ではない)の法定相続分は、実子の法定相続分の2分の1となる。(2014.9-53-1)養子の法定相続分は、実子の法定相続分の2分の1である。(2013.9-54-2)
広告