FP2級過去問題 2025年5月学科試験 問38
問38
法人税における減価償却に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、各選択肢において、当期とは2024年4月1日から2025年3月31日までの事業年度であるものとする。- 法人が減価償却費を損金の額に算入するにあたっては、確定した決算において償却費として損金経理することが要件とされている。
- 法人が2016年4月1日以後に取得した建物、建物附属設備および構築物については、「減価償却資産の償却方法の届出書」の提出の有無にかかわらず、定額法を選択することはできず、定率法しか認められない。
- 当期に取得価額が10万円未満の減価償却資産を取得して事業の用に供した場合、その使用可能期間の長短にかかわらず、原則として、当期においてその取得価額の全額を損金経理により損金の額に算入することができる。
- 当期に取得価額が10万円以上20万円未満の減価償却資産を取得して事業の用に供した場合、原則として、当期以後3年間にわたってその取得価額の3分の1相当額を損金経理により損金の額に算入することができる。
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正解 2
問題難易度
肢14.4%
肢272.8%
肢39.0%
肢413.8%
肢272.8%
肢39.0%
肢413.8%
分野
科目:D.タックスプランニング細目:10.法人税
解説
- 適切。減価償却費として法人税法上の損金に算入されるのは、法人が減価償却費として損金経理した金額のうち、税法上の償却限度額までの金額に限られます。
- [不適切]。定率法ではありません。2007年(平成19年)4月1日以後に取得した建物、2016年(平成28年)4月1日以後に取得した建物付属設備および構築物は、定額法による減価償却をしなければなりません。これ以外の償却方法を選択することはできません。2016年4月1日以後に取得した建物附属設備の減価償却方法は、定額法である。(2022.1-37-2)
- 適切。使用可能期間が1年未満または取得価額が10万円未満の資産は、使用可能期間にかかわらず、取得価額の全額をその事業年度の損金に算入することができます。ただし、主要な事業以外の貸付けに供されたものは除かれます。使用可能期間が5年で取得価額が40万円の減価償却資産を取得し事業の用に供した場合、取得価額を使用可能期間で除した金額が10万円未満であるため、当該事業用年度においてその金額を損金の額に算入することができる。(2014.1-38-1)取得価額が10万円未満の減価償却資産を取得して事業の用に供し、その事業供用年度において取得価額相当額を損金経理した場合は、その全額を損金の額に算入することができる。(2013.9-39-1)法人が取得価額10万円未満の減価償却資産を取得して事業の用に供し、その事業年度において取得価額相当額を損金経理した場合、その額を損金の額に算入する。(2013.1-39-1)
- 適切。取得価額が10万円以上20万円未満の減価償却資産は、耐用年数にかかわらず「一括償却資産」として3年間で均等に償却することが認められています。取得価額の3分の1の額を毎年償却していくので、仮に15万円のパソコンを購入した場合、1~3年までの各年5万円ずつ損金に算入します。
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