贈与と法律(全37問中15問目)

No.15

贈与に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
2020年9月試験 問51
  1. 贈与は、当事者の一方が自己の財産を無償で相手方に与える意思を表示し、相手方が受諾をすることによって、その効力を生ずる。
  2. 定期の給付を目的とする贈与は、贈与者または受贈者の死亡によって、その効力を失う。
  3. 負担付贈与については、贈与者は、その負担の限度において、売買契約の売主と同様の担保責任を負う。
  4. 死因贈与によって取得した財産は、贈与税の課税対象となる。

正解 4

問題難易度
肢14.8%
肢24.9%
肢313.5%
肢476.8%

解説

  1. 適切。贈与契約とは、自己の財産を無償で相手方に与える意思を示し、相手方がそれを受諾することによって成立する契約です。贈与のように、当事者の合意のみによって効力を生じる契約を諾成(だくせい)契約と言います
    贈与は、当事者の一方が、ある財産を無償で相手方に与える意思表示をすることにより効力が生じ、相手方が受諾する必要はない。2024.1-51-1
    民法上、贈与は、当事者の一方がある財産を無償で相手方に与える意思を表示し、相手方が受諾をすることにより効力が生じる。2022.9-51-1
    贈与契約は、当事者の一方がある財産を無償で相手方に与える意思を表示し、相手方が受諾をすることによって、その効力を生ずる。2021.5-51-1
    民法上、贈与は、当事者の一方が自己の財産を無償で相手方に与える意思表示をすることにより効力が生じ、相手方が受諾する必要はない。2021.1-51-1
    贈与契約は、当事者の一方が自己の財産を無償で相手方に与える意思表示をすることにより成立し、相手方が受諾する必要はない。2019.5-51-1
    贈与契約は、当事者の一方が自己の財産を無償で相手方に与える意思を表示し、相手方が承諾をすることによって成立する。2019.1-51-1
    贈与は、書面によらないものであっても、当事者の一方が自己の財産を無償で相手方に与える意思を表示し、相手方が受諾をすることによって、その効力を生ずる。2016.9-51-2
    贈与契約は、当事者の一方が自己の財産を無償で相手方に与える意思表示をすることにより成立し、相手方が受諾する必要はない。2015.5-51-1
  2. 適切。定期贈与は、贈与者が受贈者に対し、定期的に金銭等の財産を給付することを約束する契約です。定期贈与は、契約に別段の定めがない限り、贈与者または受贈者の死亡によりその効力を失います。多くの場合、定期贈与は当事者同士の人間関係を基礎としていて、権利義務が相続人に承継されるのは適当ではないためです。
    定期贈与は、贈与者または受贈者の死亡によって、その効力を失う。2024.9-51-1
    定期贈与は、贈与者または受贈者のいずれか一方が生存している限り、その効力を失うことはない。2024.1-51-2
    定期の給付を目的とする贈与契約は、贈与者または受贈者の死亡によって、その効力を失う。2021.5-51-3
    定期の給付を目的とする贈与契約は、贈与者または受贈者の死亡によって、その効力を失う。2019.1-51-4
    定期贈与契約は、原則として、贈与者または受贈者の死亡により効力を失う。2016.1-51-1
    定期贈与契約は、贈与者または受贈者のどちらか一方の死亡により、それ以後の当該契約の効力を失うことになる。2015.10-51-3
    定期贈与は、贈与者または受贈者の死亡によって、その効力を失う。2015.5-51-2
    死因贈与は、贈与者の死亡以前に受贈者が死亡したときは、その効力を生じない。2015.5-51-4
    定期贈与とは、贈与者が受贈者に対して定期的に給付することを目的とする贈与のことをいい、贈与者または受贈者の死亡によってその効力を失う。2013.9-51-2
  3. 適切。負担付贈与とは、受贈者に一定の債務を負わせる贈与です。負担付贈与には売買契約をはじめとする双務契約の規定が準用されるので、贈与者はその負担の限度において売主と同じ担保責任を負います。受贈者には売買契約と同じく、引渡し物の契約不適合について追完請求権、代金(負担)減額請求権、契約解除権、損害賠償請求権が認められます。
    負担付贈与契約は、贈与者が、その負担の限度において、売買契約の売主と同様の担保責任を負う。2021.5-51-2
    負担付贈与では、贈与者がその負担の限度において売買契約の売主と同様の担保責任を負う。2016.9-51-3
    負担付贈与契約の贈与者は、その負担の限度において、売買契約の売主と同様の担保責任を負う。2016.1-51-4
  4. [不適切]。贈与税ではありません。死因贈与契約は、贈与者の死亡によってその効力を生じる贈与契約です。贈与契約の一種ですが、相続と同じように死亡した人の財産を承継するのが実態なので、受贈した財産は相続税の課税対象となります。
したがって不適切な記述は[4]です。