FP2級過去問題 2019年1月学科試験 問51(改題)

問51

民法上の贈与に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
  1. 贈与契約は、当事者の一方が自己の財産を無償で相手方に与える意思を表示し、相手方が承諾をすることによって成立する。
  2. 書面によってなされた贈与契約において、いまだその履行がなされていない場合には、各当事者がこれを撤回することができる。
  3. 贈与契約(負担付贈与ではない)の贈与者は、贈与財産に契約内容に適合しない事実があることを知らないで贈与した場合、その契約不適合について担保責任を負わない。
  4. 定期の給付を目的とする贈与契約は、贈与者または受贈者の死亡によって、その効力を失う。

正解 2

問題難易度
肢16.0%
肢259.7%
肢325.8%
肢48.5%

解説

  1. 適切。贈与契約とは、財産を無償で相手方に与える意思を示し、相手側がそれを承諾することによって成立する契約です。契約の一つなので、成立には贈与の申入れに対する相手方の承諾が必要です。
  2. [不適切]。書面によらない贈与は、履行前であればいつでも取り消すことはできますが、書面による贈与は、履行前後に関係なく原則として取り消すことはできません。
  3. 適切。贈与契約では、贈与の目的物が特定したときの(契約時の)状態で引き渡すことを約束したとみなされます。契約時の現状引渡しで足りるのですから、原則として贈与契約では知る・知らないにかかわらず担保責任を負いません。一方、負担付贈与は双務契約として扱われるので、契約内容に適合しない事実があった場合には原則として担保責任を負います。
  4. 適切。定期贈与は、贈与者が受贈者に対し、定期的に金銭等の財産を給付することを約束する契約です。定期贈与は、契約に別段の定めがない限り、贈与者または受贈者の死亡によりその効力を失います。これは定期贈与が当事者同士の人間関係を基礎としていることが多いためです。
したがって不適切な記述は[2]です。