贈与と法律(全37問中24問目)

No.24

贈与に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
2017年5月試験 問51
  1. 負担付贈与ではない贈与契約の贈与者は、贈与財産に契約内容に適合しない事実があることを知らないで贈与した場合であっても、その契約不適合について担保責任を負う。
  2. 口頭での贈与契約の場合、当事者双方は、その履行が終わっていない部分についてはその契約を撤回することができる。
  3. 定期の給付を目的とする贈与契約は、当事者の一方の死亡によってその効力を失う。
  4. 死因贈与契約は、贈与者の死亡によってその効力を生じる。

正解 1

問題難易度
肢174.1%
肢211.8%
肢39.0%
肢45.1%

解説

  1. [不適切]。贈与契約では、贈与の目的物が特定したときの(契約時の)状態で引き渡すことを約束したとみなされます。契約時の現状引渡しで足りるのですから、原則として贈与契約では知る・知らないにかかわらず担保責任を負いません。一方、負担付贈与は双務契約として扱われるので、契約内容に適合しない事実があった場合には原則として担保責任を負います。
    負担付贈与ではない贈与契約の贈与者は、贈与財産に契約内容に適合しない事実があることを知らないで贈与した場合であっても、その契約不適合について担保責任を負う。2019.9-51-2
    贈与契約(負担付贈与ではない)の贈与者は、贈与財産に契約内容に適合しない事実があることを知らないで贈与した場合、その契約不適合について担保責任を負わない。2019.1-51-3
    贈与者が贈与の目的物に契約内容に適合しない事実があることを知らずに贈与した場合であっても、贈与者はその契約不適合について責任を負わなければならない。2015.1-51-4
  2. 適切。口頭での贈与契約の場合、当事者のいずれも、その履行が終わっていない部分についてはいつでも撤回することができます。
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  3. 適切。定期贈与は、贈与者が受贈者に対し、定期的に金銭等の財産を給付することを約束する契約です。定期贈与は、契約に別段の定めがない限り、贈与者または受贈者の死亡によりその効力を失います。多くの場合、定期贈与は当事者同士の人間関係を基礎としていて、権利義務が相続人に承継されるのは適当ではないためです。
  4. 適切。死因贈与契約は、贈与者の死亡によってその効力を生じる贈与契約です。贈与契約の一種ですが、相続と同じように死亡した人の財産を承継するのが実態なので、受贈した財産は相続税の課税対象となります。
    死因贈与とは、贈与者の意思表示のみで成立し、贈与者の死亡によって効力が生じる贈与をいう。2022.1-51-3
    死因贈与とは、贈与者の死亡によって効力が生じる贈与をいう。2019.5-51-4
    死因贈与契約は、贈与者の死亡によってその効力を生じる。2018.5-51-3
    死因贈与とは、贈与者の死亡によって効力を生ずる贈与をいう。2015.1-51-3
    死因贈与とは、贈与者の死亡によって効力を生ずる贈与のことをいう。2013.9-51-1
したがって不適切な記述は[1]です。