FP2級過去問題 2016年5月学科試験 問41

問41

不動産の登記や調査に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  1. 借地上に借地権者名義で登記された建物を所有する借地権者は、借地権設定者が当該借地権の目的となっている土地の所有権を第三者に譲渡してその登記を移転しても、借地権を当該第三者に対抗することができる。
  2. 登記の記載事項を信頼して不動産を取得した者は、記載されていた登記名義人が真実の権利者ではなかった場合でも、原則として、その不動産に対する権利が認められる。
  3. 抵当権設定登記の登記記録は、権利部甲区に記録され、登記事項として債権額や抵当権者の氏名または名称などが記録される。
  4. 不動産登記法の規定により登記所に備え付けるべき地図に準ずる図面は、現地を測量して作成され、すべての土地の区画が明確にされている。

正解 1

問題難易度
肢162.7%
肢214.0%
肢37.6%
肢415.7%

解説

  1. [適切]。借地上に借地権者名義で登記された建物を所有していれば、借地権の登記がなくてもその借地権を第三者に対抗することができます。
  2. 不適切。登記には公信力がありません。真実の権利を反映していない登記を信用し、無権利者と取引してもその不動産に対する権利は認められません。
    登記の記載事項を信頼して不動産を取得した者は、記載されていた登記名義人が真実の権利者ではなかった場合でも、原則として、その不動産に対する権利が認められる。2017.1-41-4
    登記記録を信頼して不動産を取得した者は、記載されていた登記名義人が真実の権利者ではなかった場合でも、原則として、その不動産を取得する権利が認められる。2016.1-41-4
  3. 不適切。不動産登記記録の権利部は、所有権に関する事項が記載される甲区と、所有権以外の権利に関する事項が記載される乙区に分かれています。抵当権は所有権以外の権利なので、抵当権設定登記の登記記録は乙区に記録されます。
    登記の目的が抵当権の設定である場合、不動産の登記記録の権利部乙区に、債権額や抵当権者の氏名または名称などが記載される。2020.9-41-3
    不動産の抵当権設定登記をした場合、当該不動産の登記記録の権利部甲区に、債権額や抵当権者の氏名または名称などが記載される。2020.1-41-4
    不動産の抵当権設定登記をした場合、当該不動産の登記記録の権利部甲区に、債権額や抵当権者の氏名または名称などが記載される。2019.1-41-3
    抵当権設定登記の登記記録は、権利部乙区に記録され、登記事項として債権額や抵当権者の氏名または名称などが記録される。2016.9-41-3
    登記の目的が抵当権の設定である場合、不動産の登記記録の権利部甲区に、債権額や抵当権者の氏名または名称などが記録される。2014.5-41-2
    登記の目的が抵当権設定の場合、不動産の登記記録の権利部乙区に、債権額や抵当権者の氏名または名称などが記載されている。2013.1-41-1
  4. 不適切。「地図に準ずる図面」というのはいわゆる公図のことで、正式な地図が備え付けられるまでの間、それに代わって登記所に備えられている図面のことです。公図は、明治時代の地租改正事業の際に作成されたもので、現況を正確に表しているとは言えません。なので、土地の大まかな位置関係や形状を確認する資料として使われています。
したがって適切な記述は[1]です。