FP2級過去問題 2016年1月学科試験 問41

問41

不動産の登記に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  1. 区分建物を除く建物の床面積の登記記録は、壁その他の区画の内側線で囲まれた部分の水平投影面積(内法面積)により記録される。
  2. 抵当権の実行による競売手続開始を原因とする差押えの登記記録は、権利部の甲区に記録される。
  3. 不動産の登記事項証明書の交付を受けることができる者は、原則として、その不動産の所有者に限られる。
  4. 登記記録を信頼して不動産を取得した者は、記載されていた登記名義人が真実の権利者ではなかった場合でも、原則として、その不動産を取得する権利が認められる。

正解 2

問題難易度
肢141.5%
肢231.4%
肢36.3%
肢420.8%

解説

  1. 不適切。区分建物を除く建物の床面積の登記記録は、壁の中心線を囲んだ壁芯面積により記録されます。なお、区分建物に関しては、壁その他の区画の内側線で囲まれた部分の水平投影面積(内法面積)により記録されます。
    区分建物を除く建物に係る登記記録において、床面積は、壁その他の区画の中心線で囲まれた部分の水平投影面積(壁芯面積)により記録される。2023.9-41-2
    区分建物を除く建物に係る登記記録において、床面積は、壁その他の区画の内側線で囲まれた部分の水平投影面積(内法面積)により記録される。2023.1-42-3
    区分建物を除く建物に係る登記記録において、床面積は、壁その他の区画の中心線で囲まれた部分の水平投影面積(壁芯面積)により記録される。2022.1-41-3
    区分建物を除く建物に係る登記記録において、床面積は、壁その他の区画の内側線で囲まれた部分の水平投影面積(内法面積)により算出される。2021.9-41-4
    区分建物を除く建物に係る登記記録において、床面積は、壁その他の区画の内側線で囲まれた部分の水平投影面積(内法面積)により算出される。2021.1-41-3
    登記記録において、分譲マンションの床面積は、壁その他の区画の内側線で囲まれた部分の水平投影面積(内法面積)で記録される。2013.5-41-2
  2. [適切]。登記記録の権利部は、甲区と乙区の2つに分けられますが、甲区には、所有者・取得時期・差押えなど所有権に関する事項、乙区には、抵当権・地上権など所有権以外に関する事項が記録されています。
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  3. 不適切。不動産の登記制度は、不動産の権利関係を公示することで取引の安全と円滑を確保することを目的としています。したがって、その記録内容は誰でも閲覧することができますし、登記事項証明書の交付請求も利害関係にかかわらず誰でもすることができます。
    不動産の登記事項証明書の交付を請求することができるのは、当該不動産に利害関係を有する者に限られる。2023.1-42-2
    不動産の登記事項証明書の交付を請求することができるのは、当該不動産の利害関係者に限られる。2022.9-41-4
    不動産の登記事項証明書の交付を請求することができるのは、当該不動産に利害関係を有する者に限られる。2022.5-41-2
    不動産の登記事項証明書の交付を請求することができるのは、当該不動産に利害関係を有する者に限られる。2021.9-41-2
    不動産の登記事項証明書の交付を受けることができるのは、その不動産の所有者に限られる。2021.3-41-1
    不動産の登記事項証明書の交付を請求することができるのは、当該不動産に利害関係を有する者に限られる。2021.1-41-2
    不動産の登記事項証明書の交付を請求することができるのは、当該不動産に利害関係を有する者に限られる。2020.1-41-2
    不動産の登記事項証明書の交付を請求することができるのは、当該不動産に利害関係を有する者に限られる。2018.5-41-3
    不動産の登記事項証明書の交付を受けることができるのは、その不動産の所有者に限られる。2015.1-41-3
    不動産の登記事項証明書の交付を受けることができるのは、当該不動産の利害関係者に限られる。2013.9-41-3
  4. 不適切。日本の不動産登記には、対抗力はありますが公信力はありません。このため、登記記録を信用して取引した場合であっても、原則として法的保護を受けることはできません。
    対抗力
    自己の権利を第三者に対して主張することができる法的効力
    公信力
    内容が真実に反するものであってもこれを信頼して取引した者は保護され、内容が真実であった場合と同様の権利取得が認められる効力
    登記の記載事項を信頼して不動産を取得した者は、記載されていた登記名義人が真実の権利者ではなかった場合でも、原則として、その不動産に対する権利が認められる。2017.1-41-4
    登記の記載事項を信頼して不動産を取得した者は、記載されていた登記名義人が真実の権利者ではなかった場合でも、原則として、その不動産に対する権利が認められる。2016.5-41-2
したがって適切な記述は[2]です。